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太陽石油、三井物産等と沖縄でSAF、リニューアブルディーゼル製造事業化検討開始。ATJ技術ベースに(2023.7)
太陽石油㈱(東京都千代田区)は、グループ会社の南西石油㈱(沖縄県中頭郡西原町)が所有する設備・遊休地を活用し、SAFおよび軽油の代替燃料であるリニューアブルディーゼル(RD)大規模製造の事業化検討を開始したと発表した。
太陽石油は2016年に南西石油を買収後、沖縄県へ石油製品の安定供給を行うとともに、南西石油の遊休地を活用した、地域社会に貢献し得る新たな事業創出を検討している。沖縄県は再生可能エネルギーを活用した大規模な電源開発が困難な地域であり、石油や石炭を始めとする化石燃料への依存度が全国的にも高い状況だ。また、沖縄県内におけるCO2排出量の内、航空機やトラック・バス・船舶などの運輸部門に占める割合が最も大きく、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた、CO2排出量を大幅に削減可能なクリーンエネルギーとして、SAFやRDの利用が期待されている。
本事業ではAlcohol to Jet(ATJ)技術を用いた年間最大約22万KLの国産SAF/RD製造を想定しており、2028年度中の供給開始に向けて検討を進めていく。原料となるエタノールは賦存量が多く、元製油所である南西石油の桟橋および貯蔵設備を活用することにより大型タンカーによる輸入やコスト競争力のある原料確保が可能だ。
本事業について、当社は三井物産㈱と共同検討することに合意し、2023年4月には内閣府沖縄総合事務局の「令和5年度沖縄型クリーンエネルギー導入促進調査事業」に採択されている。本調査事業は本事業の検討における一部と位置づけ、三井物産および南西石油と共同で実施中だ。
環境に配慮したサステナブルツーリズムが注目されつつある中、観光産業が盛んな沖縄県において本事業を創出することにより、更なる経済発展が期待される。また、沖縄県は東アジアの中心に位置しており、沖縄県内や国内のみならず、アジア域へのSAF/RDの輸出も期待できる。将来的には国内産バイオマス原料の活用も視野に検討を進めていく考えだ。
詳しくは、→https://www.taiyooil.net/news/2023/saf.html