研究情報

生物多様性ビッグデータを運営する京大発のバイオーム、総額3.3億円の資金調達を実施(2023.4)

  生物多様性ビッグデータを運営する㈱バイオーム(京都府京都市)は、シリーズBラウンドとして、12のファンドや金融公庫から総額3.3億円の資金調達を実施したと発表した。今回の調達によりこれまでの累計資金調達額は5.2億円となった。

 同社は、「生物多様性の保全を社会の当然に」のミッションのもと、2017年5月に設立された京都のベンチャー企業。いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」の開発・運営を中心に「生物多様性情報」に特化した様々な事業を展開している。2018年経済産業省「J-Startup」認定ほか、多数の認定・受賞の実績がある。

■資金調達の背景および目的について

1)いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」の大幅強化
 スマートフォンアプリ「Biome(バイオーム)」の開発・運営体制を大幅に強化し、ベース機能の向上・新機能の開発の加速。名前判定AIの精度向上、図鑑内容・見分け方コンテンツの充実、投稿の利便性向上、新たなユーザー体験の構築など、これまでのユーザーの皆様の要望に応えつつ、新しい体験の提案を充実させる。

2)企業・行政・団体・研究機関向けサービスの充実
 これまで生物多様性を脅かす「4つの危機」に対処するためのサービスパッケージを企業・行政・団体・研究機関向けに提供してきた。関連サービスの「BiomeViewer(バイオームビューア)」、「BiomeSurvey(バイオームサーベイ)」β版を正式版としてリリースし、事業者のTNFDの支援、OECMや自然共生サイト認定支援、CSR・CSV活動、金融機関・コンサルティング業による評価などに貢献するサービスパッケージを拡充させる。

3)事業拡大のための海外展開
 先のCOP15 において、2030年に向けた自然環境や生態系の保全における世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択された。これにより今後、生物多様性保全の動きは、世界中の自然環境に関連するあらゆるプレイヤーを巻き込んでますます加速していくことが予想される。一方で、こういった枠組の達成を後押しするようなサービスは世界中を見渡しても非常に少ないという現状がある。国内市場のみにとどまらず、既存のサービスの多言語対応や海外向け新アプリのリリースなどを通じて、世界でのプレゼンス向上に注力する。

詳しくは、→https://biome.co.jp/news/seriesb-fundraising/                                        

 

2023-04-22 | Posted in 研究情報 |