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国際環境NGO FoE Japan、FITバイオマス発電事業者にアンケート。持続可能性説明に課題 (2022.8)

 国際環境NGO FoE Japanは、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の認定を受けた主なバイオマス発電事業者に対し、バイオマス燃料の持続可能性に関するアンケートを実施し、その結果を8月1日、公表した。
 アンケートは、FITの認定を受けた発電出力1万kW以上の主な発電設備(187設備)を有する発電事業者154社を対象に2022年5月19日から2022年6月10日にかけて実施し、56社(61設備)から回答を得た。56社が利用しているもしくは利用予定の燃料の内訳は、輸入木質ペレットもしくは木質チップが36社、PKS(パーム椰子殻)が30社、国産木質チップが21社、その他が2社であった。 

 結果について、輸入木質ペレットもしくは木質チップを現在利用している、もしくは利用予定と回答した発電事業者36社のうち、原産国を回答した事業者は8社のみであった。また、36社のうち、森林認証制度によって持続可能性及び合法性の確認をしていると回答した事業者は17社で、認証制度の名称と認証の種類を具体的に回答した企業は7社のみであった。PKS(パーム椰子殻)を現在利用している、もしくは利用予定と回答した発電事業者は30社あった。稼働済みの発電設備を有する18社のうち、第三者認証を取得した燃料を利用し、かつ認証の識別番号を回答した企業は4社のみであった。

詳しくは、→https://foejapan.org/issue/20220801/8734/

 バイオマス燃料の生産国における森林破壊を懸念する声が世界的に高まりつつある今、国のFIT制度が認定するバイオマス発電事業が、海外の森林生態系を破壊し、気候変動を悪化させることのないよう、資源エネルギー庁はガイドラインの改善及び監督体制の構築をしていくことが求められている。また、発電事業者は、自らの事業が、気候や生物多様性に与える影響に関する説明責任を負い、情報公開が求められている。同団体は、日本のバイオマス発電による燃料輸入が、森林減少・劣化などの環境社会影響の原因にならないよう、調査及び提言を継続していく考えであることを発表の中で発信している。

 

2022-08-01 | Posted in トピックス |