トピックス,エネルギー編

独・DHLと仏・CMA CGM、共同バイオ燃料イニシアチブを通じ海上貨物の脱炭素化を加速(2025.12)

 2025年12月22日、ドイツのDHL Global Forwardingとフランスの本部を置くCMA CGMは、世界のコンテナ輸送の脱炭素化に向けて大きな一歩を踏み出した。両社は、第二世代バイオ燃料「UCOME」を8,990トン共同で使用することに合意した。これにより、DHLのGoGreen Plusサービスで輸送される海上貨物の坑井から航海までのCO2排出量を、推定25,000トン削減することが可能になる。この取り組みにより、DHLのお客様は国際サプライチェーンの炭素強度を大幅に削減するとともに、業界における代替船舶燃料への移行を加速させることができる。

 DHL Global Forwardingのグローバル海上貨物部門責任者であるCasper Ellerbaek氏は、「今回の協業は、低炭素サプライチェーンに向けた当社の使命における新たなマイルストーンとなる。持続可能な船舶燃料を活用することで、お客様の気候変動目標の達成を支援し、脱炭素化に向けた真の進歩を推進する」と述べている。

●低炭素海上貨物ソリューションの推進
 DHLのGoGreen PlusとCMA CGMのACT+低炭素輸送サービスを通じて、荷主は持続可能な海上輸送を物流業務に統合できる。CMA CGMは、自社の船舶全体にバイオ燃料を物理的にバンカーで積み込み、DHLのBook & Claimアプローチに基づく排出量削減を実現する。DHLのGoGreen Plusサービスにより、顧客は輸送に持続可能な船舶燃料を選択することで、Well-to-Wake(採掘から航行開始まで)の排出量を削減でき、従来の船舶燃料と比較して最大80%の温室効果ガス排出量削減が可能になる。

●ネットゼロに向けた共通の目標
 DHLは2050年までに温室効果ガス(GHG)排出量をネットゼロにすることを目指しているが、CMA CGMグループの輸送担当エグゼクティブバイスプレジデント、Olivier Nivoix氏は次のように述べている。「DHLとのパートナーシップは、協働によって低炭素輸送への移行を加速できることを示している。ACT+は、代替燃料向けに設計された当社の船舶を基盤とした、信頼性と拡張性に優れたソリューションを提供する。2050年までにネットゼロカーボンを達成することを約束しているCMA CGMは、2008年以降、輸送活動における炭素強度を既に57%削減しており、代替燃料とデュアル燃料船への多額の投資を行っている」

詳しくは、→https://www.cmacgm-group.com/en/news-media/dhl-and-cma-cgm-accelerate-decarbonization-ocean-freight-joint-biofuel-initiative

2025-12-25 | Posted in エネルギー編, トピックス |