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日本製鉄、北海道森町等でビバリーユニットを活用した藻場再生。今年度の設置試験を開始(2023.9)
日本製鉄㈱は、豊かな海を取り戻すため、森から海へと供給される鉄分を人工的に生成する「ビバリーユニット」(鉄鋼スラグと廃木材チップを発酵させた腐植土を原料とした鉄分施肥材)を開発し、2004年から全国44カ所の沿岸へ提供を行ってきた。今年度は、新たに複数の自治体・漁業協同組合と協業し、それぞれの海域の特徴や地域の課題に適したビバリーユニットの適用を進め、持続的な藻場の再生・回復による海洋環境改善と地球温暖化防止への貢献に挑む。
今年度最初の取り組みとして、日本製鉄は、北海道函館市近郊の森町と共同で、町内の森漁業協同組合、砂原漁業協同組合の協力のもと、8月29日よりビバリーユニットの施工を行った。
北海道森町では、町の基幹産業であるである水産業から発生するホタテ貝殻の再利用先について、これまで検討を行ってきました。今回、日本製鉄と共同で藻場造成の着生基質となる人工石の骨材に、ホタテ貝殻を混合利用するといった新たなチャレンジをスタートする。本取り組みを通じて、磯焼け解消による藻場再生の効果を評価するとともに、未利用資源であるホタテ貝殻の有効活用による循環型社会の構築、持続的な事業モデルの確立を目指す。
日本製鉄が取り組んできた「海の森プロジェクト」により、これまでに多くの「ビバリーユニット」適用海域で藻場が再生・回復するとともに、漁獲高向上の効果も報告されている。また、近年では、気候変動や地球温暖化の原因とされる大気中のCO2を海草や海藻が大きく吸収しているブルーカーボン(海洋生態系によるCO2の吸収・固定)効果が分かってきており、藻場の回復・造成が新たな地球温暖化防止対策としても大きな潜在効果を持っていることが注目されている。
詳しくは、→https://www.nipponsteel.com/news/20230904_100.html 関連情報→https://www.nipponsteel.com/csr/env/circulation/sea.html