研究情報
東工大、東農大の研究G、光合成微生物シアノバクテリアの広宿主ベクターの開発と利用(2023.3)
東京工業大学と東京農業大学の研究グループは、光合成微生物であるシアノバクテリアのプラスミド複製に関わるタンパク質CyRepA2を同定し、CyRepA2を用いたベクターが幅広いシアノバクテリア種で利用できることを発見した。さらにこのベクターを用いてシアノバクテリアによる揮発性テルペノイドの生産系を構築した。
CO2を固定しつつ炭素化合物を合成するシアノバクテリアはカーボンニュートラルな次世代の有用物質生産ホストとして期待されている。これまで産業微生物では遺伝子改変により目的に応じた形質を付与することで、人工代謝経路や所望の形質の導入が行われてきたが、シアノバクテリアでは利用可能な遺伝子工学ツールが限られているのが現状だった。特にシアノバクテリアはベクターとして利用可能なプラスミドについての情報が乏しく、その複製機構は、ほとんどわかっていなかった。
シアノバクテリアはカーボンニュートラルな有用物質生産ホストとして期待されており、本研究で開発された広宿主域ベクターはシアノバクテリアの産業利用を加速させる新たな遺伝子工学ツールとして期待できる。
詳しくは、→https://www.titech.ac.jp/news/2023/066323
2023-04-01 | Posted in 研究情報 |