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住友林業、志布志市と 国産材活用促進に向けた新工場の立地協定を締結    長期ビジョンで「ゾーニング森林経営」「グローバル森林ファンド」を発表 (2022.2)

 住友林業(株)と鹿児島県志布志市は、志布志市臨海工業団地の土地売買契約を締結し、2月14日に立地基本協定書を締結した。本協定は住友林業が同工区で新工場建設の検討を開始することを両者が合意し、実現に向けて環境整備等、相互が協力していく。
 同社は国産材を活用する木材加工工場とバイオマス発電所の建設を検討する。今後、具体的な事業計画の策定や設備の選定を進め、2025年中の操業開始を目指す。
 2021年、米国での住宅建設需要の増加や新型コロナウイルス感染症拡大を起因としたコンテナ不足等により、世界全体で木材価格が高騰するウッドショックが発生した。木材供給の約6割を輸入に依存している日本では、国産材の急な増産に対応できず、価格面・数量面で大きな影響を受けた。
 森林大国である日本では、戦後植林した人工林を中心に森林蓄積量が52億㎥に達し毎年1億㎥程度増加し続けているという。蓄積量が十分あるにも関わらず木材自給率は41.8%と、伐期を迎えた森林を活かしきれていないのが実情であり、国産材の活用に向けては、林業従事者から木材製造・加工業者そして建築業者すべてが、事業収益を確保できる安定的な供給体制の構築が急務という。

詳しくは、→https://sfc.jp/information/news/pdf/2022-02-14-02.pdf

 また、同日同社は、2030 年に向けた脱炭素化に向けた長期ビジョン及び中期経営計画を発表した。その中では、1)森林のCO2吸収源としての価値を訴求した新たな事業の展開、2)国産材の競争力強化に向けた施策の推進、3)中大規模木造建築事業の拡大などが方針の軸とされた。

 長期ビジョンによれば、海外などでは急激な減少が懸念される保護林を拡大する。一方、日本のような人工林の半分が林齢50年を超えた森林の多い地域では、CO2の吸収量の減少が懸念されており、炭素固定を促す経済林として伐採、CO2吸収能力の高い若い木の再植林を加速させる。各地の森林の状況に応じて保護林として、あるいは経済林として対応する「ゾーニング森林経営」を推進する。また「グローバル森林ファンド」を組成し、新たなCO2吸収源を東南アジア、オセアニア、北米などで保有、管理を進めカーボンオフセットで企業や社会の脱炭素化に貢献していくとした。

詳しくは、→https://sfc.jp/information/news/pdf/2022-02-14-05.pdf

2022-02-18 | Posted in トピックス |