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長谷工、千葉県成田市に「竹チップ製造工場」新設。放置竹林整備で発生した竹を有効活用へ(2025.12)
㈱長谷工コーポレーションは、放置竹林の有効活用と建設副産物の再資源化などを目的として、千葉県成田市に「竹チップ製造工場(竹チップ:粉砕機などを用いて、竹を5ミリメートルほどに細かく砕いたもの)を新設することを決定した。2026年10月の本格稼働を予定しており、地域資源の循環利用と環境負荷低減(セメント系固化材由来の年間CO2排出量削減)を両立する新たな取り組みとして、持続可能な社会の実現に貢献する考えだ。
日本全国に広がる竹林は、近年その利活用が進まず、管理が行き届かない「放置竹林」が深刻な社会問題となっている。同社では2024年3月より、学校法人福岡大学(福岡県福岡市)工学部の佐藤 研一教授との共同研究を通じて、竹チップを用いた「杭汚泥の固化処理技術」(特許出願済み)の開発に取り組んできた。この技術は、建設現場で発生する汚泥を竹チップで安定化・再資源化するもので、環境負荷低減やCO2の地中貯留にもつながる革新的な手法である。実用化の目途が立ったことから、竹チップの安定供給体制の構築が急務となり、このたびの工場新設に至った。

千葉工場では、千葉県森林組合や周辺自治体、NPO法人などから調達した竹材をチップ化し、建設資材(杭汚泥固化材、地盤改良材、植栽材)や農業資材(肥料、飼料)として販売する。今後は竹害が深刻な関西圏や東海圏への事業拡大を視野に入れた展開を目指す。また、竹チップの用途拡大にも注力し、仮設地盤改良や植栽材、農業資材としての利活用など、多様な分野での応用を進めていく。
【建設汚泥の固化処理フロー】
①場所打ちコンクリート杭の掘削工事により建設汚泥が発生
②建設汚泥に、竹チップを添加し撹拌
③建設汚泥の固化状況を確認
④運搬車両に積み込み、建設現場から中間処理場に運搬
⑤中間処分場にて再度固化処理を実施し、再生土としての各種品質を確認したうえで盛土材等として再活用
【竹チップによる固化処理技術を利用するメリット】
①伐採後の竹を有効利用するための技術として竹害問題の解決に大きく貢献
②竹の生長過程で吸収したCO2を地中に固定
③セメント系固化材の使用量削減によるCO2排出量削減

詳しくは、→https://www.haseko.co.jp/hc/information/press/20251218_1.html
