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独・INERATECと仏・SOLER、 バイオカーボン商品化~副産物合成ガスのe-Fuel生産利用へ技術協力(2024.6)
フランスのバイオカーボン開発に注力するSOLERとドイツの合成燃料(e-Fuels)の開発に注力するINERATECは技術協力のプロジェクトを発表した。両社は、プロジェクトの構想として、南フランスに革新的なバイオカーボン生産をベースにした、e-Fuel製造施設を建設する計画を検討している。
SOLER社のバイオカーボンとは、木材残渣やその他のバイオマス残渣の熱分解変換によって得られる炭素を豊富に含む固体製品。その製造には、空気のない状態で、慎重に制御された温度と時間枠内でバイオマスを加熱することによって生産される。暖房目的の有機製品である木炭とは異なり、戦略的な用途に使用することを目的とした炭素を豊富に含む材料で、その貴重でユニークな特性により、気候中立を達成するための他の選択肢がほとんどない冶金や建築材料生産などの分野にバイオカーボンが適している。
この工場は、SOLERの最先端技術を使用して木材残渣から生成されたバイオカーボンの副産物として生成される合成ガスを活用することで、年間10万トンのCO2相当を削減する。INERATECの先進的なPower-to-Liquid工場では、合成ガスを使用してカーボンニュートラルな燃料を製造する。これらの燃料は、航空、船舶、道路輸送など、排出削減が困難なモビリティ部門に供給される。
このプロジェクトには、再生可能エネルギーと組み合わせてバイオカーボンと持続可能なe-Fuelsを生産することにより、林業における資源効率を最大化するという大きな目標がある。SOLERとINERATECのパートナーシップは、補完的な技術のシームレスな統合を行い、林業残渣(およびその他のバイオマス材料)から高品質のバイオカーボンへの変換と合成ガスから高価値のe-Fuelsへの変換を最適化する。両社の運用の知見を積み上げていき、ヨーロッパのバイオカーボンおよびPower-to-Liquidプラントを世界中に展開するための強力なモデルとしたい考えだ。
詳しくは、→https://www.ineratec.de/en/news/building-e-fuel-production-europe-creating-value-biocarbon 関連情報→https://soler-group.com/