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韓・SKCグループのSK Leaveo、ベトナムで世界最大の生分解性素材・PBAT工場を着工(2024.5)
韓国・SKCの環境対応素材生産部門であるSK Leaveoは、世界最大の生分解性素材・PBAT(ポリブチレンアジペートテレフタレート)生産工場の建設に本格的に着手した。
SK Leaveoは5月11日、ベトナム・ハイフォン市経済特区でPBAT工場の起工式を開催、式典にはSKCのWoncheol Park代表取締役、SK LeaveoのHojin Yang代表取締役などSKCの役員ら、駐ベトナム韓国大使のYoungsam Choi氏、ベトナムのTran Luu Quang副首相、ハイフォン市党委員会のLe Tien Chau書記など地元政府要人が出席した。
SK Leaveoは、SKCが食品メーカーの大象社と提携して2022年に設立した合弁会社で、高強度PBAT素材事業を立ち上げる。SKCは2020年に韓国化学技術研究院(KRICT)から高強度PBAT技術を導入、粘り強い研究開発努力により技術の向上を続け、商用化の準備を進めてきた。
同社が第1期に約1億ドルを投資するベトナムのPBAT生産工場は、敷地面積22,389㎡、年間生産能力7万トンで、単一工場としては世界記録を更新する。同工場は2025年第3四半期に稼働する予定で、世界展開の基盤を築くため、生産能力拡大に必要な追加用地をすでに確保した。
PBATは、土中に埋めると微生物によって自然に分解されるため、廃棄物がもたらす環境負荷の軽減に貢献する。従来のPBATは耐久性に弱く、用途が限られていたが、同社はナノセルロースを天然の補強材として活用した独自の技術で高強度PBATを開発し、農業用フィルム、包装材、容器から繊維、不織布など用途を拡大している。
この生産工場は、原料混合とエステル重合工程を利用してPBATを生産する。特に、ナノセルロース補強剤とSKCの40年以上にわたる世界トップクラスのノウハウにより、工程効率を高め、必要な投資を減らし、生産性を向上させる。さらに、地元政府の全面的な支援により、この工場はRE100(再生可能エネルギー100%)要件を満たし、エネルギー負荷の100%を再生可能エネルギー源のみでカバーする。
SK Leaveoは生産施設とともに、ベトナムで環境に優しい生分解性材料産業のエコシステムを育成することを誓約している。そのために、SK Leaveoはベトナム最大のプラスチック製造業者であるAn Phat Corp.と提携している。An PhatはSK Leaveoのベトナム子会社に投資し、世界中の主要市場向けの生分解性プラスチック製品を製造するため、長期PBAT購入契約を締結する考えだ。