研究情報

ちとせ研究所、AIによる自動培養制御システム開発。微生物活用の機能性食品素材開発で実現(2023.9)

 ちとせグループの中核法人である㈱ちとせ研究所は、NEDOの事業「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」において、AIが微生物の培養状態を最適な状態にコントロールするAI自動培養制御システムを開発した。人の経験やノウハウに依存する微生物による機能性食品素材開発において、AI学習に必要な学習データを新たに定義し、それらを取得するためのセンシング技術を開発したことが特徴。本システムを用いた実証実験を協和発酵バイオ㈱との共同研究で実施した結果、人間では困難な培養のコントロールをAIが実現し、微生物培養の熟練者が設定した条件よりも高い生産量を達成することができた。今後、本事業で同社は、本システムの開発を継続し、2027年度までの製品化を目指す。

 食品素材などの発酵生産では最適な培養条件の設定など安定的な生産のために熟練者の知恵やノウハウ、五感を駆使した、いわゆる「匠の技」が必要でした。一方で、このような熟練者の「匠の技」の継承や習得には非常に長い時間が必要なこと、熟練者の高齢化や海外生産による技術の流出などが日本のバイオエコノミー産業において大きな問題になっていることから、熟練者に代わって安定的に生産できる技術の開発が急務となっている。

詳しくは、→https://chitose-bio.com/jp/news/5747/

 

2023-09-06 | Posted in 研究情報 |