研究情報
ユーグレナ社、微細藻類ユーグレナの燃料抽出残渣の養魚用飼料代替になる可能性を確認。(2023.6)
㈱ユーグレナは、微細藻類ユーグレナからバイオ燃料の原料となる油脂を抽出したあとの残渣を用いた水産養殖試験において、ユーグレナ残渣が養魚用飼料の代替原料になる可能性を確認したと発表した。なお、この成果は当社が受託した、NEDOの委託事業の結果得られたもの。
養殖生産は世界規模で年々伸びており、養殖に必要不可欠なタンパク質源として、養魚用飼料には天然魚を主成分とする魚粉が使用されている。飼料の低魚粉化は天然魚などの水産資源を守ることにつながり、持続的な養殖業の発展のためにも飼料の魚粉依存を減らすことが急務だ。同社では、ユーグレナから抽出した油脂を原料の一部に用いたバイオ燃料を製造・開発しており、油脂を抽出したあとのユーグレナ残渣の活用方法を研究している。ユーグレナ残渣には、飼料に必要なタンパク質などが含まれており、養魚用飼料の代替原料になる可能性がある。
マダイは、国内でブリ類に次いで養殖生産量が多い市場性の高い魚種であり、植物性原料による飼料の魚粉代替が進んでいることから、今回マダイを対象として、魚粉の一部をユーグレナ残渣で代替した飼料を使った給餌試験を三重県水産研究所尾鷲水産研究室尾鷲湾大曽根漁場において実施した。
魚粉配合率40%の飼料をベース(コントロール)とし、ユーグレナ残渣で魚粉を5%代替、10%代替のの2パターンで代替し、それぞれにおいて分析を行ったところ、ユーグレナ残渣が養魚用飼料における魚粉代替原料になる可能性が示唆された。今後は、ユーグレナ残渣の配合率の最適化等の研究を進めていく。
詳しくは、→https://www.euglena.jp/news/20230627-2/
2023-07-02 | Posted in 研究情報 |