トピックス,エネルギー編
日本郵船G、アンモニア燃料船運航による環境価値の創出。タグボート運航で第三者認証取得(2025.10)
日本郵船グループの㈱新日本海洋社は、9月25日、同社が保有するアンモニア燃料タグボート「魁」の曳船サービスを通じて削減した温室効果ガス(GHG) 排出量を定量化し、環境価値とする第三者認証を取得した。この環境価値はBook&Claim方式に基づき購入者へ割り当て可能であり、将来的には輸送サービス利用者のScope 3排出量削減への寄与が期待される。アンモニア燃料船の実運航を通じて創出された環境価値が第三者認証を受けるのは世界で初めて。
本船は、2021年10月にNEDOのグリーンイノベーション基金事業「アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の開発」に採択され、商業利用を前提に開発された、世界初のアンモニア燃料船。㈱JERAから㈱レゾナック製の低環境負荷アンモニア「ECOANN」、の供給を受け、2024年8月の竣工以降、横浜港を拠点に、安全かつ低炭素な曳船サービスを提供している。
貨物の輸送に伴って排出されるGHGは、多くの事業者にとっては一般的にScope3に分類され、削減のためにはサプライチェーン全体での協働が求められる。本取り組みは、海運業におけるGHG削減量を可視化し、輸送サービス利用者による将来的なScope3排出量削減や追加のGHG削減施策検討へとつながり、舶用燃料としてのアンモニアの環境貢献への可能性をさらに広げるものとなる。同社は今後も、2026年11月に竣工予定の外航アンモニア輸送船(AFMGC)の開発をはじめ、海運・舶用業界における燃料アンモニアのバリューチェーン構築と脱炭素化の推進に注力していく考えだ。