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カナダ・Svante、2025年のノーベル化学賞を称賛し、商業的炭素回収でのMOFの重要性を強調(2025.10)
固体吸着剤を用いた炭素回収・除去フィルター技術のリーダーであるカナダのSvanteは、先に発表された2025年のノーベル化学賞受賞者を祝福した。同賞は、金属有機構造体(MOF)分野における画期的な研究で功績を上げた北川進氏、Richard Robson氏、Omar Yaghi 氏の各科学者に授与された。スウェーデン王立科学アカデミーは、MOFの開発に対して、その「計り知れない可能性」と二酸化炭素を含む特定の物質を捕捉・貯蔵できる高い比表面積を持つ多孔質材料を生み出す独自の分子構造を評価し、本賞を授与した。
SvanteのCOO兼スバンテOEM&Dの社長であるRichard Laliberté氏は、「まさに当社が活用している種類の材料がノーベル委員会に認められたことは、炭素回収・除去分野全体に深い確証を与えてくれた。MOF分野における最先端研究は、この業界における当社の成功基盤の1つとなっている」と述べた。
ノーベル賞の発表では、Svante独自のフィルター技術の中核を成す、ガス分離および高容量捕捉におけるMOFの驚異的な能力が紹介された。特に、科学的背景資料では産業用炭素回収に関連するMOFに言及されており、その中にはカルガリー大学のGeorge Shimizu博士が開発したCALF-20も含まれている。George Shimizu博士は、Svanteが使用するMOFの重要な共同研究者・科学顧問、そして発明者でもある。
Svanteは、固体吸着材でコーティングされた構造化吸着フィルターを工業規模で製造している。その中には、材料科学分野の世界トップクラスのパートナー企業と提携し、グラム単位から商業規模へのスケールアップに成功したMOFであるCALF-20も含まれる。Svanteは最近、Svante OEM&Dという新たな事業部門を立ち上げた。この事業部門は、同社の専門知識、経験、設備を活用して固体吸着材のスケールアップおよび高性能フィルターへのコーティングを行うことで、固体吸着材を利用する顧客がガス分離技術をより迅速に市場投入できるようサポートしている。