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独・BASFとフィリピン・IRRI(国際稲研究所)、米生産のCO2排出量削減に向け提携。(2024.1)
ドイツのBASF とフィリピンに本部を置くIRRI(International Rice Research Institute、国際稲研究所)は、米生産からGHG排出を削減するための協業の締結したと発表した。 「OPTIMA Rice」(米のGHG削減のための最適化管理)を運営するIRRIとの協力は、2030年までに生産作物1トン当たりのCO2換算のGHG排出量を30パーセント削減するというBASFの取り組みを支援するものだ。この共同取り組みはフィリピンにおいて、複数の米の季節に計画されており、稲の研究センターが運営されているラグナ州で実施される。
お米は世界で最も広く生産されている5つの穀物のひとつであり、毎日30億人によって消費されている。世界中で栽培されているが、アジアが生産量の最大のシェアを占めている。しかし、その地理的広がりと湿地栽培の典型的な方法により、世界中の水稲生産は農業部門からのGHG総排出量の 10%、主に継続的に浸水した湿地の水田に由来している。このCO2排出量の多さにより、米生産は農作物生産の中でもGHG排出量を削減する最も大きな可能性をもつと推定されている。
BASFとIRRIは、稲の気候対応スマート農業に関連する複数のテーマを検討していく予定だ。これらには、直播米品種、窒素安定剤、栄養素と残留物の管理、米農家向けにカスタマイズされた新しい化学、湿潤乾燥交互管理(AWD)などの節水技術が含まれる。さらに、IRRIは、プロジェクトに適用するために、GHG排出量を推定するための新しい計算アルゴリズムを組み込むため、生態生理学的モデルORYZAのさらなる改良を開始した。 BASF は、AgBalance? ツールを使用して GHG 排出強度を推定し、IRRI と協力して自社製品のフィールドテストを行い、高品質の農業データと GHG データを取得する。両者はともに、フィリピンやアジアの他の稲作地域における米の気候緩和と適応オプションに関する科学的理解を向上させるためのモデルをさらに開発し、適用することを目指している。 最終的に、稲を栽培する農家の生産システムの脱炭素化を支援することを目指す。
「この協力は、メタンやその他のGHGの削減に計り知れない機会をもたらし、農家に価値を生み出し、アジア、特にフィリピンにおける米の生産向上に貢献する」とIRRIの研究ディレクター兼持続可能な農業対応部門の責任者であるBas Bouman氏は述べた。
詳しくは、→https://www.basf.com/global/en/media/news-releases/2024/01/p-24-111.html