トピックス
DIC、世界初の藻類油タイプの高性能硫黄系極圧添加剤を開発。従来製品より高性能実現、EV産業視野に(2023.12)
DIC㈱は、このたび硫黄系極圧添加剤「DAILUBE」について、この分野では世界初である藻類油タイプの新製品「KS-519」を開発したと発表した。本開発品は、CO2排出量削減の他、従来製品と比べてより高い性能を持った製品で、特に電気自動車(EV)産業において需要が期待される。今後、藻類油タイプの製品ラインアップを拡充し、日本や米国、欧州地域における自動車(特にEV)や金属加工用潤滑油、ギアオイルなどのメーカーを視野に拡販を進め、2030年には売上高80億円を目指す。
極圧添加剤は、機械部品の磨耗を防止し、耐久性を向上するために使用される潤滑油添加剤で、植物油と動物油(ラード)を主原料として製造されている。この硫化された油脂は、高温下または高荷重下での摩擦の低減、摩耗の制御、および重度の表面損傷の防止性能に特長を持つ。このたび、同社が新たに開発した藻類油タイプのKS-519は、従来品よりも①優れた潤滑性能、②淡色と低臭気などの利点、③CO2排出量削減などの環境負荷低減、などの特徴を持ち合わせている。
また、硫黄系極圧剤において、硫化動物油(ラード)タイプは硫化植物油よりも優れた耐荷重性を示すものの、ラードの生産数量が年々低下傾向にあり安定的な原料確保が課題となっている。さらに、環境上や宗教上の理由から世界各国での使用が難しくなっている。このため、海外の顧客からは新しい材料へのシフトが望まれており、藻類油タイプのKS-519は調達性の観点から、動物油(ラード)タイプの代替となることが見込まれる。
詳しくは、→https://www.dic-global.com/ja/news/2023/products/20231221190210.html
2023-12-27 | Posted in トピックス |