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英bp社、米WasteFuel社と提携・投資。廃棄物由来バイオメタノールで海運の脱炭素へ(2023.7)
英国bp社は、バイオエネルギーへの投資を拡大すると発表した。bpベンチャーズはシリーズB投資ラウンドを先導する1,000万ドルを米国の実証済みの技術を使用し、バイオベースの都市廃棄物や農業廃棄物をバイオメタノールなどの低炭素燃料に変換するWasteFuel社(カルフォルニア州)に投資した。
世界レベルでは、固形廃棄物の総生産量は年間約 20 億トンに達し、2050 年までに 34 億トンに増加すると予想されている。 WasteFuel社 の嫌気性消化、メタノール生産技術により、都市廃棄物と農業廃棄物が、従来の燃料に代わる低炭素排出代替品、バイオメタノールに変換される。同社は、廃棄物会社を含む現地の戦略的パートナーと協力して、世界で複数のバイオメタノールプラントを計画中で、最初のプロジェクトがUAEのドバイで進められている。
海運など削減が難しい分野では、バイオメタノールが脱炭素化に重要な役割を果たす可能性がある。海上輸送は世界貿易の約 90% を占めており、世界のGHG排出量の約3%を占めている。ネットゼロを達成する取り組みの一環として、海運業界の大手企業の一部はメタノール対応船への転換を進めている。bp社は海運部門向けの低炭素代替燃料の供給確立に取り組んでおり、WasteFuel社のバイオメタノールを市場に投入することを目指している。
bpベンチャーズの副社長であるGareth Burns氏は次のように述べている。「WasteFuelプロジェクトは、削減が困難な分野向けの低炭素ソリューションの開発を進める一方で、増加する世界の廃棄物処理を支援することを目指している。また、海運業界の脱炭素化を達成するには段階的な対応が必要であり、バイオ燃料は業界の脱炭素化を支援する上で重要な役割を果たすものであり、WasteFuel社 の次の成長と市場開発に協力できることを楽しみにしている」