研究情報
TOYO TIREと富山大学、CO2を原料として、タイヤ主原料のブタジエンゴムの合成に成功(2023.5)
TOYO TIRE㈱(兵庫県伊丹市)は、国立大学法人富山大学との共同研究において、CO2から高収率でブタジエンへ変換する触媒を開発し、タイヤの主原料であるブタジエンゴムの合成に成功したと発表した。
自動車タイヤの原材料はタイヤの品種によって割合は異なるが、天然ゴム以外の約4割を占める合成ゴムのうち、石油由来原料であるブタジエン系ゴム(SBR、BR)はその約3割を占めている。こうした背景から、タイヤ業界では石油以外の天然由来の代替原料(資源)によってブタジエンゴムの実現と活用を模索する動きが活発化している。
富山大学では、持続可能な社会をめざして次世代の物質変換技術を開発する学術的基礎研究、及びその社会実装をめざす応用研究を行なうことを目的とし、カーボンニュートラル物質変換研究センターを設置、また、温室効果ガスの一つであるCO2の再資源化を目的とした高性能触媒の開発を通じて、積極的かつ革新的に脱炭素社会づくりへの貢献に取り組んでいる。
同社は、タイヤ材料の主成分として多用するブタジエンゴムの生成に、CO2そのものを石油由来の原料から代替適用できないかという課題をテーマにして、2016年より、富山大学学術研究部工学系・椿範立教授と検討と研究を重ね、共同で開発を進めてきた。このほど、地球環境に多大な影響を与える気候変動の主因の一つとされる、CO2からブタジエンを合成する道筋をつけることに成功したことにより、従来の石油由来原料を用いた場合に比べ、生成過程での環境負荷(CO2排出量)の極小化に大きな成果が得られると考えられる。
詳しくは、→https://www.toyotires.co.jp/press/2023/230509.html
2023-05-11 | Posted in 研究情報 |