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ユーグレナ社、HVO51%混合の次世代バイオディーゼル燃料開発。公道走行可能な混合比率で最高水準達成(2024.12)
㈱ユーグレナ(ユーグレナ社)は、軽油にHVO(Hydrotreated Vegetable Oil:水素化植物油)51%を混合した次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を開発し、供給を開始する。このHVOを51%混合した「サステオ」は、軽油規格に適合しており、軽油同様にディーゼルエンジン車の公道走行に使用可能。
■日本におけるHVO普及の課題点
HVOは、バイオマス(生物資源)原料を水素化処理した燃料(水素化処理植物油)。ドロップイン燃料として、軽油と混合でも単独でも利用することが可能であり、また、石油由来の軽油使用時と比較してCO2排出量の削減効果が高いため、脱炭素社会実現に貢献する燃料として欧州を中心に利用が拡大している。しかし、100%のHVOは日本の地方税法第144条、いわゆる軽油取引税が定める軽油の密度の下限値を下回るため、公道走行に使用するためには、この地方税法に基づき、製造承認を受けている施設で軽油と混合して軽油規格に適合させる必要がある。
軽質なHVOは、その混合比率が上がるほど地方税法上の軽油密度に適合させることが難しいため、軽油規格に安定的に適合させるべく、ユーグレナ社はこれまでHVO20%混合の「サステオ」を主として供給してきた。
■なぜ「51%」なのか
世界気象機関(WMO)によると、2024年の世界平均気温が観測市場過去最高となる見通しで、日本でも自然災害の激甚化や高温障害などによる農作物の不作など気候変動の影響が増してきた。日本は、2030年度までに、2013年度比で温室効果ガス排出量を46%削減する目標を、うち運輸部門においては35%削減する目標を現在掲げており、今後、より運輸部門にCO2をはじめとする温室効果ガス排出量削減への貢献が求められることが想定される。
当社では、よりCO2排出量削減効果が高く、かつ、軽油規格に適合した燃料の必要性を重視し、高濃度にHVOを混合した燃料の密度をコントロールすることで、軽油規格に適合させたHVO51%混合の「サステオ」を開発するに至った。
なお、HVO51%混合の「サステオ」に使用しているHVOはISCCの認定を受けており、国際的にも持続可能な燃料として認められているほか、特定荷主および特定輸送事業者が、HVO51%混合の「サステオ」を専用で車両に使用する場合、バイオ燃料の混合割合が過半を占めることとなり、改正省エネ法で提出が義務付けられている中長期計画書における「非化石エネルギー自動車」として報告することが可能となる。 HVO51%混合の「サステオ」を使用することにより、CO2削減量あたりのコストの低減が可能になり、よ効率的に温室効果ガス排出量の削減に貢献でき、脱炭素化が促進されることが期待される。
詳しくは、→https://www.euglena.jp/news/20241218-3/