トピックス

住友林業、インドネシア合弁会社で木質ペレット製造・販売事業参入。木質バイオマス燃料の国内安定供給へ(2024.9)

 住友林業㈱は、木質ペレットの製造・販売事業に参入すると発表した。インドネシアの合弁会社PT. Biomassa Lestari Nusantara(BLN社)が現地で9月から試験生産を開始した。製造したペレットは全て住友林業グループが購入し、日本国内のバイオマス発電所を中心に販売する。BLN社はインドネシア住友林業(SFI社)を通じ、PT. Dharma Satya Nusantara Tbk(DSNグループ)の100%子会社でエネルギー関連事業を展開するPT.Dharma Energi Investamaと合弁で2023年、インドネシア中部ジャワ州に設立した。DSNグループは木質ペレット製造と原材料の集荷、住友林業グループは品質管理と木質ペレット販売を担当する。

 傘下に合板工場や木質フローリング工場を持つDSNグループの原材料の集荷体制やネットワークを活かし、BLN社工場近隣の木材加工工場や森林から発生する端材や未利用の小径木といったこれまで利用価値が乏しかった原材料を集荷し木質ペレットを製造する。

 2024年9月以降第1フェーズの生産量は年間6万トン、2026年を目処に第2フェーズとして年間12万トンへの増産を計画している。自社グループの製造拠点を持つことで、確かな品質の木質ペレットを突発的な外的要因等に左右されることなく事業者へ長期に渡り安定供給できる。事業を通じて木を余すことなく活用するカスケード利用を促進し木の価値を最大限に活かして脱炭素化を推進する考えだ。

<背景>

 経済産業省・資源エネルギー庁の公表する「第6次エネルギー基本計画」では、2030年度で目指す電源構成のバイオマス発電の比率は従来の「3.7%~4.6%」から「5%」に引き上げられており、ベースロード電源※としての重要性が高まり、バイオマス発電の燃料となる木質ペレットの需要も増加が見込まれる。

 近年では、ロシアによるウクライナ侵攻以降、発電用燃料(天然ガス、石炭、木質ペレット等)の供給が世界的に不安定且つタイトになり、木質ペレットの価格も急騰した。現在では需給バランスは落ち着きを見せているものの、バイオマス発電所の稼働は長期に渡るため、このような不測の事態を見越した供給体制を備えることが重要である。

詳しくは、→https://sfc.jp/information/news/2024/2024-09-20.html

 

2024-09-21 | Posted in トピックス |