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住友商事、英領北海でCarbon Storage(CO2貯留)権益を取得。2031年から圧入開始予定(2023.11)
住友商事㈱は、在英国の100%子会社Summit Energy Evolution Limited(SEEL)を通じて、英領北海南部のAmethystガス田およびWest Soleガス田にて設定されている2つのCarbon Storage(CO2貯留)権益(CS017、CS018)のそれぞれ10%を取得したと発表した。日系企業としては初めて英国で直接CS権益を取得した。
英領北海では、石油・天然ガス開発エリアにおける巨大なCO2の貯留キャパシティが期待されており、2050年までのCO2 Net-zero達成を目指す英国政府はCCSの普及を脱炭素化の主要な戦略に位置付けている。なかでも、大型の廃ガス田のCCSへの転用は、コスト低減および商業化へのスケジュールの観点で優位性が期待され、昨年実施されたCS権益の英国第一次公開入札を通じて、BPやShellをはじめとする総合エネルギー企業が積極的に権益を取得している。
本事業は、英領北海南部のAmethystガス田およびWest Soleガス田にて、ガス生産を終了した地層にCO2を貯留することで、英国の脱炭素化に貢献する取り組みだ。英領北海南部は多くのガス田が存在する事から英国政府により多くの権益が設定され、競争性の高い地域に位置付けられている。また、本件の対象エリアは英国最大の産業地帯であるHumbersideに近接し、CO2排出源からの輸送距離が短く、コスト競争力の高いCO2の輸送・貯留サービスを提供することが可能だ。
今後は、地下データの解析による貯留可能量の精緻化、漏洩リスクの分析、設備計画やモニタリング計画の作成などの事業性評価、および英国政府による商業化のための許認可取得を経て、2029年の開発意思決定、2031年には1.5百万トン/年の圧入を開始、その後段階的に6百万トン/年への貯留量の拡大を目指す。英国政府が掲げる2030年時点における20-30百万トン/年の貯留量の達成に向け、事業を推進していく考えだ。
詳しくは、→https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/topics/2023/group/20231117