研究情報

出光興産、アルミニウム活用した発電システムの商用化を目指す米・Voya Energy社へ出資。(2026.10)

 2026年10月26日、出光興産㈱は、Idemitsu CVCを通じて、米国のVoya Energy, Inc.(カリフォルニア州、Voya社)に出資したと発表した。Voya社は、アルミニウムペレットを活用した独自の発電システムを開発している。同システムは、発電時にCO2を排出しないほか、電力網に依存することなくクリーンかつ安定的に電力を供給するもので、Voya社はその商用化を目指している。 本出資を通じて、出光興産はVoya社が開発する発電技術への知見を深めるとともに、分散型電源としての活用可能性の探索および将来的な協業機会の創出に向けた取り組みを加速する。

 データセンターの増加や社会の電化・電動化の進展により電力需要が拡大する中、安定的な電源の確保は重要な課題となっている。こうした中、送配電設備の容量不足などによる電力網への接続制約や、ディーゼル発電機などの従来型のオンサイト発電設備の導入に伴う許認可への対応、環境負荷に対する地域社会からの懸念などを背景に、新たな分散型電源へのニーズが高まっている。

 Voya社は、独自の電解液および発電システムを開発し、発電時にCO2を排出せず、静音性に優れた電力供給の実現を目指している。同社のソリューションは、電力網に依存せず需要地への設置が可能であることや、エネルギーキャリアとして活用するアルミニウムの保管・輸送が容易であることなどが特長である。事業の初期段階においては、ディーゼル発電機をはじめとする既存のオンサイト発電設備やバックアップ電源の代替を想定し、商用化を目指している。データセンター開発事業者や産業用電力需要者にとって、信頼性の高いバックアップ電力を確保するための新たな選択肢となることが期待される。将来的には、データセンターや産業施設など幅広い需要地において、バックアップ電源としての活用にとどまらず、多様な用途での活用を見据えている。

 Voya社の発電システムでは、アルミニウムを空気中の酸素および水と電気化学的に反応させ、同社独自の電解液と機械設計を組み合わせることで発電する。発電には、アルミニウムスクラップを原料とし、輸送および発電機への投入に適したペレット状に成型されたアルミニウムを使用する。 このプロセスで副産物として生成される水酸化アルミニウム(ATH)は、アルミニウム系製品の原料として販売することを想定している。また、将来的には、再生可能エネルギー由来の安価な電力を活用して ATH からアルミニウムを再生し、発電に再利用することで、アルミニウムを循環利用する「クローズドループ型エネルギーシステム」の構築を通じた環境負荷のさらなる低減を目指している。

Voya 社の発電システム模式図

詳しくは、→https://www.idemitsu.com/jp/news/2026/261026.pdf

2026-10-27 | Posted in 研究情報 |