研究情報

JFEエンジニアリング・富山大、SAFを製造できる新触媒を共同開発。従来比2倍超の高効率収率実現(2026.3)

 2026年3月27日、JFEエンジニアリング㈱は、国立大学法人富山大学と共同で、航空分野の脱炭素化において最も期待されている手段である持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel: SAF)を製造可能な新触媒を開発したと発表した。

 この新触媒は、一酸化炭素(CO)と水素(H2)の混合ガスからSAFを製造するために必要なFischer-Tropsch(FT)合成に用いられるものであり、富山大学学術研究部工学系の椿範立教授が開発した触媒の性能を高め、SAFに適した液体炭化水素の収率が50%以上となる高い性能を持つことから、生産性の高いSAF合成プロセスが実現できる。
 従来のFT合成触媒では、得られる炭化水素を水素化分解によりSAFに適した炭素数に変換することが必要となり、この水素化分解でのロスも含めるとSAFの収率は25%程度に留まる。一方、今回新たに開発した触媒を使用したFT合成は、多額の設備投資が必要な水素化分解プラントと水素の新規投入が不要になるため設備コストが大幅に削減できるだけでなく、FT合成のみのプロセスでSAFを従来比2倍以上の収率で製造することができる。

 現状国内外のSAF製造の原料は廃食油が中心であるが、食用油資源の供給不足の観点からバイオマスや都市ごみなどの廃棄物へ多様化していき、長期的には発電所や工場から排出され回収したCO2と再エネ由来などの水素(H2)を合成して製造される合成燃料が重要な位置づけを占めると予想されている。これらの原料からSAFを製造するには、FT合成が不可欠であり、そのFT合成に今回の新触媒が活かされることになる。

 JFEエンジニアリングと富山大学は、本触媒によるSAF合成プロセスのさらなる開発を継続するとともに、SAFの普及拡大を通じて航空分野の脱炭素化の実現に貢献していく考えだ。

詳しくは、→https://www.jfe-eng.co.jp/news/2026/20260327.html

2026-03-29 | Posted in 研究情報 |