研究情報
独・Evonik Oxeno等の研究G、CO2を原料に新触媒プロセスで従来のエステル生産を代替(2025.10)
ドイツのライプニッツ触媒研究所(LIKAT)、ルール大学ボーフム、Evonikグループ・Evonik Oxenoの研究者らは、気候ガスであるCO2を化学産業の原料として利用することを可能にする画期的な触媒システムを開発したと発表した。この画期的な技術により、香料やプラスチックの構成要素といった主要製品のより持続可能な生産が可能になる。
「 CO2を原料として直接利用することは、産業規模での持続可能な化学にとって画期的な出来事である」と、Evonik OxenoのプロジェクトリーダーであるRobert Franke教授は述べている。「LIKATおよびルール大学ボーフムとの協力は、優れた基礎研究と産業界の専門知識を組み合わせることで、化学産業を変革する革新的なソリューションをいかに生み出せるかを示している」
カルボニル化は化学製造における中心的なプロセスであり、炭化水素の一種であるオレフィンを一酸化炭素を用いてエステルまたは酸に変換する。これらの物質は、多くの日用品に不可欠な成分である。このプロセスにより、アクリルガラスの原料となるメタクリル酸メチルなどの基礎化学物質と、香料として使用される吉草酸メチルエステルなどの特殊化学物質の両方が得られる。
新たに開発された二金属触媒システムは、有毒な一酸化炭素を、環境に優しい二酸化炭素とグリーン水素に置き換える。遷移金属のイリジウムとパラジウム、そして実績のある工業用ホスフィン配位子の存在下で、オレフィンはエステルに直接変換される。このシステムは、工業用途において特に価値のある直鎖状生成物に対して高い選択性を示す。
2025-10-21 | Posted in 研究情報 |
