トピックス,マテリアル他編

韓・LG Chem、100%植物由来・バイオアクリル酸の商業生産を開始へ。微生物発酵で生産(2025.2)

 韓国のLG Chem(ソウル市)は、植物油由来の環境に優しい原料で世界市場に参入する。同社は2月13日、今年第2四半期にバイオアクリル酸の生産を開始すると発表した。生産能力は、プロトタイプで年間100トンまで増加できる見込み。

 バイオアクリル酸は、肌に直接触れる化粧品原料、おむつ用の高吸水性樹脂(SAP)、電子機器や車両用の接着剤、コーティング材、環境に優しい塗料など、さまざまな素材に応用できる。バイオアクリル酸技術の開発は世界中で試みられているが、これまで実用化には至っていなかった。

 LG Chemのバイオアクリル酸は、植物由来の原料を微生物発酵させて生産される3-ヒドロキシプロピオン酸(3HP)から作られている。この製品は完全に植物由来でありながら、従来のアクリル酸と同じ分子構造と特性を保持している。同社は3HP菌株と発酵技術を自社開発し、昨年、米国農務省(USDA)のバイオベース製品認証ラベルを取得し、100%バイオベースであることが確認された。

 同社は試作品の製作から始め、北米や欧州のサステナビリティ志向の企業に積極的に提案していく計画である。機能性を損なわずに植物由来や天然由来の原料を求める声が高まる化粧品業界は、バイオアクリル酸の重要な市場になるとみられる。

 LG Chemは顧客のニーズに即応できるカスタマイズ型バイオアクリル酸生産システムを運営する計画で、市場の需要が増加すれば生産設備の拡張も検討している。「バイオアクリル酸は、顧客と市場の持続可能性のニーズを満たす革新的な製品になると期待している。当社は、環境に優しい技術の開発をリードし続ける」と、LG Chemのアクリレート/SAP事業部門のシニアバイスプレジデント兼責任者であるSong Byung-Keun,氏は述べた。

詳しくは、→https://www.lgchem.com/company/information-center/press-release/news-detail-9570?lang=en_GLOBAL

2025-02-17 | Posted in トピックス, マテリアル他編 |