研究情報
仏・Arkemaと京大発・ガス分離技術開発のOOYOO社、炭素回収用ガス分離膜開発で提携。(2025.2)
CO2分離・回収技術は、GHGの排出を削減に直結するものであり、昨今大きな注目を集めている。CO2は分離・精製されると、下流で炭酸塩、肥料、ドライアイス、燃料などのさまざまな工業用化学物質に加工できる。したがって、ガス分離技術は、GHGの削減とカーボンニュートラル社会の実現に重要な役割を果たすことになる。
京都大学発スタートアップ企業の㈱OOYOO(OOYOO社:ウーユー)は、省スペースかつコスト効率に優れた独自の膜分離技術によるCO2回収に取り組んでいる。フランスの特殊材料開発に注力するArkemaとOOYOO社は、この膜技術の開発で協力することを決定し、覚書(MOU)を締結した。Arkemaは、ポリマー合成と材料設計に関する先駆的な技術を導入する。主に、高い選択性、化学的安定性、優れた機械的強度につながるカスタマイズされた分子チャネリング技術を使用して設計されたArkemaの主力製品であるPebaxエラストマーに焦点を当てている。OOYOO社は、 CO2の分離、回収、再利用を目的とした材料選択、溶液配合、高性能膜およびモジュール設計に注力する。
ArkemaとOOYOO社の協力により、Arkemaが開発・提案する新しい高性能材料のPebaxポリエーテルブロックアミドエラストマーだけでなく、ポリイミド、PEKK、PVDF樹脂においても、OOYOOが独自に開発した最先端の分離膜の性能向上とコスト削減が加速される。

Arkemaとスタートアップ企業OOYOO㈱が提携契約を締結
<OOYOO社について>
OOYOO社は2020年に設立された京都大学発のディープテックスタートアップ。創業者のイーサン・シヴァニア教授が開発した先駆的な技術をもとに、CO2分離における高性能とコスト効率の両立に注力し、ガス分離膜の研究開発を進めてきた。同社の膜技術は、CO2回収コストを従来法の3分の1以下に大幅に削減し、コンパクトな設置を可能にした。この次世代環境技術は、脱炭素社会を実現するための重要なイノベーションとして大きな注目を集めている。
詳しくは、→https://www.arkema.com/global/en/media/newslist/news/global/csr/2025/20250130-sponsorship-ooyoo/ →https://www.ooyoo.co.jp/