研究情報

米・ベイラー大の研究G、バイオ燃料の燃焼技術で画期的クリーンかつ高効率成果を発表(2024.10)

 雑誌「 Fuel」に掲載された新しい研究で、米国のベイラー大学の the Cornerstone Atomization and Combustion Lab (CAC)の研究者らは、革命的なSwirl Burst(SB)インジェクターを使用してグリセロール/メタノール混合物をほぼゼロの排出で燃焼させるという、バイオ燃料の効率的な燃焼の先駆的な方法を発表した。この新しい技術により、通常は高粘度のために燃焼しにくい燃料のクリーンな燃焼が可能になる。

 「現在の研究は、ベイラー大学の燃焼技術によって粘性のあるバイオ廃棄物がクリーンエネルギーに変換される方法を実証している」と 、CACラボの主任研究員であり、ベイラー大学工学・コンピューターサイエンス学部の機械工学助教授で、本研究の筆頭著者である Lulin Jiang博士は述べている。

 従来のインジェクターでは、エネルギー密度は中程度であるものの、粘度が高いため、バイオディーゼル生産時に豊富に生成される副産物であるグリセロールを燃焼させることは困難である。

 対照的に、SB インジェクターは高価な燃料の予熱や処理を必要とせずにグリセロールを処理できるため、バイオ燃料の経済性を一変させる可能性がある。このプロセスにより、SB インジェクターは微細な液滴を生成することで完全かつクリーンな燃焼を実現し、一酸化炭素 (CO) や窒素酸化物 (NOx) などの有害な汚染物質の排出を大幅に削減できる。

 同氏は、この新しい技術により、バイオディーゼル生産者はグリセロール廃棄物を実用的な燃料源に変換し、循環型経済を促進し、発電のための炭素排出量を削減することも可能になると述べた。SBインジェクターの柔軟性により、ハードウェアを変更することなくさまざまなグリセロール/メタノール比率の燃焼が可能になり、厳しい排出規制を満たすことを目指す発電所に最適である。

詳しくは、→https://news.web.baylor.edu/news/story/2024/baylor-engineers-unveil-breakthrough-ultra-clean-biofuel-technology

2024-10-20 | Posted in 研究情報 |