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インドとブラジル、エネルギー分野~バイオ燃料・SAFにおける協力の共同声明(2024.9)
インド共和国石油天然ガス大臣Hardeep S Puri氏は、ブラジル連邦共和国鉱山エネルギー大臣Alexandre Silveira氏の招待により、9月19日から21日までブラジル連邦共和国を公式訪問した。Hardeep S Puri氏には、上流部門と下流部門の両方を代表するインドの石油・ガス会社が同行した。
訪問中、両者はインドの上流投資、二国間貿易における互恵関係、持続可能な燃料、特にバイオ燃料における協力など、エネルギー分野における既存の協力関係を検討したが、その中でバイオ燃料とSAFに関する共同声明が発表された。
<バイオ燃料と持続可能な航空燃料(SAF)に関する共同声明>
両国は、インドとブラジルが二大バイオ燃料生産国として、既存のエタノールとバイオディーゼルの生産インフラ、成長する航空市場、農業資源を含む膨大な原料の可能性を活用し、持続可能な航空燃料(SAF)の生産と使用で協力する好立場にある。
SAFに関しては、両者は、現在SAFが航空部門の脱炭素化に向けた成熟した実行可能な主要経路であり続けていることに留意した。同時に、SAFは現在の航空燃料使用量のわずか0.3%を占めるに過ぎない。
航空分野におけるネットゼロの目標を達成するには、原料関連の課題、他の技術と比較したSAFの高コスト、大規模生産のためのインフラと効率的な廃棄物管理システム、生産経路の未成熟など、SAF生産におけるいくつかの大きな障害を解決するために両国が共同で協力して取り組む必要があることを再確認した。
国際航空のための炭素オフセット及び削減制度(CORSIA/ICAO)の範囲内で定義された持続可能性基準など、一貫した国際基準を確立することの重要性を強調し、航空燃料の持続可能な生産に使用されるさまざまな技術的経路と原材料に関して、技術的中立の原則を強調した。
持続可能な航空燃料セクターの展開と発展において、SAFにおけるインドとブラジルのパートナーシップが、地域バリューチェーンの活用と促進を通じてSAFの生産、取引、流通、認証を拡大し、とりわけSAFの入手可能性、手頃な価格、信頼性の向上を支援することで果たせる役割を認識した。
両国は、このような協力の進め方としては以下の内容について留意していくとした。
- あらゆるソースからのエタノール生産を活用する。
- SAF 製造プロセスを最適化するために、技術交換、共同研究、開発イニシアチブを促進する。
- SAF生産への投資を奨励する枠組みを構築することを目的として、規制と政策の経験を共有する。
- 生産経路の技術成熟度レベル(TRL)の向上を目的として研究開発とイノベーションに協力する。
- SAF の開発を促進するために、ICAO などの多国間フォーラムで協力する。
詳しくは、→https://pib.gov.in/PressReleaseIframePage.aspx?PRID=2057239