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米・LanzaTech、積水化学とマスターライセンス契約締結。日本国内に複数商業規模の廃棄物エタノールプラント建設へ(2024.9)
廃棄炭素を持続可能な燃料、化学薬品、材料に変換する炭素リサイクル企業であるLanzaTech Global, Inc.は、積水化学工業㈱とマスターライセンス契約を締結し、共同開発の都市固形廃棄物(「MSW」)および産業固形廃棄物由来の合成ガスをエタノールに変換するプラットフォームを商業規模で展開する。積水化学は、LanzaTechが提供する機器パッケージ、エンジニアリングおよびアドバイザリーサービス、消耗品、知的財産を組み込んだ施設を日本全国の自治体に複数建設する予定だ。
積水化学は、初の商業規模施設で年間10~12キロトンのエタノールを生産できると見込んでいる。生産されるエタノールは合成アルコール(日本アルコール協会規格「JAAS」)であり、エチレンや灯油に変換してSAFとして使用できるほか、アパレル、パーソナルケア、包装など幅広い材料や化学用途にも使用できる。
LanzaTechと積水化学工業の最新の契約は、埋立地や焼却炉に捨てられるゴミを回収し、化石資源や食用作物から得られるはずだった原料を生成するために活用するという10年にわたる協力関係を前進させるものである。この契約は、 2017年に埼玉県寄居町で行われたパイロットプラントの成功、および2022年に岩手県久慈市で完成予定の都市ごみからエタノールを生成する実証プラントに続くもので、このプラントは年間約400トンのエタノールを生産する能力がある。
「この協定により、私たちは循環型炭素経済のビジョンを前進させています。積水化学との継続的な協力は、廃棄物の削減、炭素の回収、価値ある持続可能な原料の生成、そして重要なこととして、雇用の創出を実現するプラットフォームを自治体に提供するための基盤を築くものだ」と、LanzaTechのCEO、Jennifer Holmgren.博士は述べている。「日本全国で炭素リサイクルを拡大するという積水化学の取り組みと、地元のゴミに閉じ込められた炭素にアクセスして活用する方法について、他の国や企業が追随できる世界的な青写真の開発の最前線に立っていることに感謝している。」