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住友商事、チリ・バイオ農薬製造・販売会社Bio Insumos Nativaへ出資。環境負荷軽減ニーズへ対応(2024.4)
住友商事㈱は、南米にて農薬のトレードおよび卸売り事業を手掛けるSummit Agro South America(サミットアグロサウスアメリカ)を通じて、チリのバイオ農薬製造・販売会社Bio Insumos Nativa(ビオ・インスモス・ナティーバ、BIN社)に出資することで合意した。本出資は、法制上必要となる各種手続きなどを経たのちに、完了する予定。
世界的な人口増加に伴い、農作物の収量増加が不可欠とされている中で、農薬や肥料の使用は年々増加傾向にある。これに伴って環境への負荷増大は農業業界における大きな懸念事項となっており、その対応策としてバイオ農薬の需要が高まっている。市場規模は2023年時点80億米ドル(約1,2兆円)で、2005年の5億米ドル(約750億円)から18年で16倍に増えており、29年には150億米ドル(2兆円超)で農薬全体の市場規模 750億米ドル(約11兆円)の約20%を占めるまでに成長すると予測されている。特にラテンアメリカ地域においては、バイオ農薬の使用を後押しする登録制度、大豆などの大規模畑作農家での使用拡大によってバイオ農薬市場規模は成長が著しく、2029年まで年平均成長率15%での拡大が見込まれている。
BIN社は、2002年にチリにて設立されたバイオ農薬製造・販売会社で、同社が注力する微生物農薬分野では、同国市場において30%を占める最大のプレイヤーとなっている。同社は現在Summit Agro South America が取り扱うバイオ農薬製品の主力サプライヤーであり、チリ・ペルーを中心にラテンアメリカ諸国での既存取引、開発を通して市場における競争力を証明してきた。現在販売中の製品に加えて、開発中の新規バイオ農薬も複数剤あり、今後の販売拡大が期待される。今回の出資を契機に、よりマーケットイン視点での研究開発/製造分野に参画することとなる。また、バイオ農薬は、環境負荷が少ない一方で、化学農薬より防除効果がマイルドなため、農家がより効果的にバイオ農薬を使用できるよう営農指導/技術指導にも取り組み、バリューチェーン全体でバイオ農薬の普及を推進していく考えだ。
詳しくは、→https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/topics/2024/group/20240418_2