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味の素、鹿児島県と肉用牛・乳用牛飼養でのGHG削減と産業振興の連携協定を締結~アミノ酸リジン製剤活用(2024.4)
味の素㈱は、鹿児島県及び県内の畜産関係団体等と、肉用牛・乳用牛飼養におけるGHG削減と産業振興を図るため、この度協定を締結したと発表した。
鹿児島県は、同社の牛用アミノ酸リジン製剤「AjiPro-L」を活用したGHG削減ソリューションを採用して、県内の複数の畜産関係団体・畜産事業者・大学・金融機関等と連携して取組みを実施することでGXを推進する。県内の産学官金が参加を表明しており、本取組みによって牛由来のGHG削減への取組みが大規模かつ迅速に県全体へ拡大することが期待される。
近年、世界的な人口増に伴いたんぱく質の需要が増加する中で、たんぱく源としての牛肉・生乳の生産が注目されている。一方で、牛の糞尿やげっぷに含まれるメタン・一酸化二窒素など、牛の生育に関わるGHG排出量は全世界の排出量の約9.5%を占め、地球温暖化の原因の一つとして喫緊の課題になっている。
鹿児島県は肉用牛(肉用種)の飼養頭数約34.3万頭で全国1位(全国シェア18.2%)を誇る日本有数の畜産県である一方、県のGHG排出量の約2割が畜産由来、そのうちの約6割が牛由来と大きく、また、昨今の飼料高騰等によって県の基幹産業である畜産業の収益性が悪化しており早急な対応が求められていることから、県内畜産業の振興を図るためGHG排出削減と産業競争力の両立を図るGXを推進することとしている。
このような環境において、同社は科学的知見に裏付けされた性能を持ち、業界ナンバーワンのシェア(同社調べ)を持つ「AjiPro-L」を活用したソリューションを鹿児島県・県内の畜産関係団体・畜産事業者等と連携して県内に普及し、肉用牛・乳用牛起因のGHG排出削減と畜産事業者の収益改善を図る考えだ。乳用牛においては、本製品を使用することで高コストで余分なアミノ酸も多く含む大豆粕などの飼料を減らしながら、不足するアミノ酸を補って飼料中のアミノ酸バランスを整えることができる。その結果、乳量を維持しながら飼料コストを削減すると同時に、糞尿中の余剰な窒素を減らし、一酸化二窒素を削減することが可能となりる。肉用牛においては、上記の方法に加えて、肥育段階で「AjiPro-L」を飼料に加え、飼料中で最も不足しやすいアミノ酸の一つであるリジンを補うことで、体内で利用されるアミノ酸の量を増加させ、肉用牛の生産性を高めることが可能となる。結果、肥育日数の短縮、もしくは枝肉重量の増加により、単位重量当たりのメタンと一酸化二窒素両方の削減、そして生産コストの削減が可能となる。
詳しくは、→https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2024_04_02.html