研究情報

名大と海洋機構、海洋が大気中CO2を吸収・固定する能力を解明。深海へ沈む「マリンスノー」の特性と季節変動がカギ握る(2026.4)

 名古屋大学と海洋研究開発機構(JAMSTEC)の共同研究チームは、2026年4月17日、海の中に沈む粒子の窒素同位体比から海洋の基礎生産力の時間変化を復元し、それを用いて生産された有機炭素がどの程度深海に運ばれるか(隔離効率)の季節変動を明らかにしたと発表した。
 海洋は大気中の二酸化炭素を吸収し、その一部を深海へ運ぶことで気候を安定化させているが、その効率がどのように季節的に変化するのかは十分に理解されていなかった。
 本研究では、北太平洋の亜寒帯と亜熱帯の2つの海域において、約4年間にわたり時系列で捕集した沈降粒子サンプルを分析し、深さ500mにおける炭素隔離効率を定量化した。その結果、亜寒帯では隔離効率がほぼ一定であるのに対し、亜熱帯では季節によって大きく変動することを明らかにした。さらに、炭酸カルシウムやオパールといった鉱物成分が、沈降粒子の沈降速度や壊れにくさを左右し、炭素フラックスの鉛直減衰を制御するという新しいメカニズムを提案した。
 本研究は、表層生態系の違いが粒子の性質を通じて炭素の運ばれ方を決定することを示しており、海洋による二酸化炭素の吸収・隔離の将来変化をより正確に予測するための重要な手がかりとなることが期待される。
 本研究成果は2026年3月23日(日本時間)付の科学雑誌『Scientific Reports』に掲載された。

詳しくは、→https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2026/04/co-1.html

2026-04-18 | Posted in 研究情報 |