トピックス,エネルギー編
札幌バイオフードリサイクル、食品バイオガス発電施設完成､北海道最大。JFEｴﾝｼﾞﾆｱﾘﾝｸﾞG・J&T環境 全国6か所体制へ（2025.5）
札幌バイオフードリサイクル㈱は、札幌市において食品リサイクル発電プラントの更新および処理能力拡大を目的に新工場の建設を進めており、このたび新工場での業務開始に伴い5月15日発電式を執り行った。新工場は北海道内最大の食品バイオガス発電施設で、JFEエンジニアリンググループのJ&T環境㈱では、本拠点もあわせて全国6カ所で食品リサイクル発電事業を行っている。
札幌市は2018年に「第2次札幌市環境基本計画」を策定し、2050年のゼロカーボンシティの実現に向けて、ごみ減量・資源化への取り組みを積極的に推進している。計画の進捗状況として、「家庭ごみ」や「事業ごみ」の量は10年間で大幅に減少したものの、依然として生ごみの排出量・利活用率が課題となっていた。この課題を解決するため、札幌バイオフードリサイクルは、札幌市リサイクル団地内の既存工場を一新し、処理能力を大幅に強化した。新工場では、これまで受け入れていた札幌市の給食センター等から排出される事業系一般廃棄物の食品廃棄物68ｔ/日に加え、新たに札幌市や札幌近郊にある食品製造工場などから排出される産業廃棄物の食品廃棄物も受け入れ、最大100ｔ/日の処理を行うことが可能となる。
新工場では、食品廃棄物を微生物の力で発酵させ、発生するメタンガスを燃料にして発電を行う。発電出力は1,980kW、年間想定発電量は約16,420MWh（一般家庭約4,560世帯分の年間使用電力量に相当）となる。また、発電された電力は、FIT（固定価格買取）制度を活用するとともに、JFEエンジニアリングの電力小売事業子会社であるアーバンエナジー㈱（UEC）（横浜市）を通じて売電され再生可能エネルギーの地産地消を目指す。さらに、処理過程で発生した発酵残渣は全量肥料化を進める。これにより、食品廃棄物をクリーン電力と肥料へ転換する地産地消型の “ダブルリサイクルループ”を実現していく。
ダブルリサイクルループ：食品廃棄物から再生可能エネルギーと肥料を創出