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岩谷産業、タイでバイオエタノール由来グリーン炭酸製造事業の検討へ。脱炭素によりニーズ高まる(2025.5)
岩谷産業㈱の100%子会社である泰国岩谷会社は、タイ国内での事業拡大を目指し、バイオエタノール由来の液化炭酸ガスプラントの設立を検討している。この取り組みの背景には、慢性的な炭酸ガス不足がある。タイでは2022年に深刻な炭酸ガス不足が発生した。日本でも毎年深刻な炭酸不足が発生している。これは、従来の石油精製由来の炭酸ガス生産量が、設備の老朽化やカーボンニュートラルの流れを受けて縮小傾向にあることが原因である。日本をはじめとする東南アジア地域では、BCP(事業継続計画)の観点から、さまざまな企業において炭酸ガス新プラントのニーズが高まっている。 今回検討しているタイの新プラントからは、日本を含めたタイ周辺国への輸出需要も見込んでいる。このことから、同社は独立行政法人 日本貿易振興機構(JETRO)が公募した「グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型ASEAN加盟国)(第二回)」に応募し、補助金の採択を受けた。
<補助金の概要>
1. プロジェクト名:タイ国 バイオエタノール由来によるグリーン炭酸プラント製造計画 2. 補助申請者名 :岩谷産業㈱ 3. 共同事業実施者:泰国岩谷会社 4. 採択決定日 :2025年3月19日 5. 事業実施期限 :2028年3月31日 6. 採択理由 1)従来の石油精製由来の炭酸ガス製造設備が老朽化していくことや、カーボンニュートラルの進展に伴い、将来の製造量の減少が予想されるため、本事業はサプライチェーン強靭化に繋がること 2)タイで製造された炭酸ガスは、需給が逼迫する日本をはじめ東南アジア各国へ輸出する計画であること本事業で製造される炭酸ガスは、大気中の炭酸ガスを光合成により吸収して成長する植物(さとうきび)を原料としたバイオエタノールの製造工程において発生する副生物。従来の石油精製由来のものと比べ、炭酸ガス排出量の大幅な低減が見込まれる。このようなグリーン炭酸を販売する ことでユーザーの脱炭素化に繋がるものと期待できる。
詳しくは、→https://www.iwatani.co.jp/jpn/news/files/2025/20250516_news.pdf