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王子G・住友大阪セメント・富国紙業、CO2再資源化人工石灰石から、ローカーボン紙開発。世界初の取り組み(2025.2)
王子ホールディングス㈱のグループ会社である王子エフテックス㈱は、住友大阪セメント㈱、富国紙業㈱と共同で、世界で初めてCO2再資源化人工石灰石を使用した紙「ロカボ紙(Low Carbon Paper:ローカーボン紙)」の開発に成功した。
王子ホールディングスの高級印刷用紙「OKミューズガリバーシリーズ」を基に開発された本製品には、NEDOのグリーンイノベーション基金事業で住友大阪セメントが開発したCO2再資源化人工石灰石を使用している。このCO2再資源化人工石灰石は、セメント製造時に発生する排ガスに含まれるCO2を廃棄物に含まれるカルシウム源で鉱物固定して製造されたもの。
炭酸カルシウムは紙に白さや不透明性、平滑性および柔軟性を付与するために使用される製紙用原料の一つであり、本製品では、天然の石灰石由来の炭酸カルシウムをCO2再資源化人工石灰石に置き換えた。
本製品は、既存の高級印刷用紙と同等の強度や印刷適性を持ちながら、CO2再資源化人工石灰石を使用することでCO2の排出を削減する。また、原料にカルシウムを含む廃棄物を再利用することで廃棄物の削減にも貢献する。
今回の開発成果であるロカボ紙®は、世界の最先端技術が集う2025 年の大阪・関西万博にて、住友グループのパビリオン『住友館』の記念品(ポストカード、メモパッドなど)に使用される。
王子ホールディングスは、CO2再資源化人工石灰石の適用範囲の拡大について検討を進め、持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。

製造のイメージ
詳しくは、→https://www.ojiholdings.co.jp/news/?itemid=2116&dispmid=1199&TabModule958=0