研究情報
オーストリア・Rohrdorfer社、セメント製造時のCO2からエチレンの製造に成功(2024.7)
オーストリアの建設資材企業の Rohrdorfer /ロードルファー社は、CO2からのエチレン製造に成功した。新しく開発されたプロセスでは、セメント製造中に生成される CO2が回収され、エチレンに変換される。テスト段階の後、生産は工業規模に拡大され、シームレスなCO2循環が確立される。長期的な目標は、地域の価値創造と気候中立的なセメント生産を通じて化石原料から独立することである。
エチレンは、非常に多用途な製品であり、ポリマー、灯油、樹脂、シリコーン、繊維などの多くの物質の出発原料となる。Rohrdorfer社は、セメント製造中に生成されるCO2を使用してエチレンに変換するが、この技術は、ギ酸やエチレンなどの炭化水素の製造に使用できる新しいCO2電気分解に基づいている。 「CO2からエチレンへ」のアプローチにより、シームレスな循環経済を確立し、化石原料に依存しないことが可能になる。
「CO2からエチレンへ」は、 H2-Reallabor Burghausen – ChemDelta Bavaria の研究プロジェクトの一部である。産業界、中堅企業、新興企業、研究機関からの37 社のパートナーが、化学産業の材料基盤として水素を使用するという目標に取り組んでいる。このプロジェクトは、2023年4月に正式に開始された。Rohrdorfer Net Zero Emissionチームは、以前の「CO2からギ酸へ」プロジェクトで得られた知見に基づいて、研究開発に数カ月の時間を投じた。その結果、チームはグリーンエチレンを生産するようにプラントを適応させることができた。最初のステップでは、1 時間あたり数100 グラムのエチレンの試験スタンドが稼働した。 1日あたり最大6 キログラムの製造高を誇る業界向けのデモンストレーターが間もなく続く。次の拡張ステップは、2026年に計画されており、 コンテナ規模で 1時間あたり1キログラムのCO2をエチレンに変換することが期待されている。
詳しくは、→https://www.rohrdorfer.eu/rohrdorfer-startet-ethylen-produktion-aus-kohlenstoffdioxid/