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清水建設、バイオ炭混入コンクリートのCO2削減効果を精緻に定量化。第三者機関が確認(2024.5)
清水建設㈱は、バイオ炭を混入しコンクリート内部にCO2を固定する環境配慮型コンクリート「SUSMICS-C」のCO2削減効果について、現場適用時のCO2排出量収支を精緻に定量化し、算定結果の妥当性について第三者審査機関であるソコテック・サーティフィケーション・ジャパン(株)の確認を得た。審査対象は、「グッドマンビジネスパーク ステージ6ビルディング2新築工事(発注者:シラカミ特定目的会社)」に適用した510㎥のSUSMICS-Cの打設に伴うCO2排出量収支で、第三者による検証を経て、コンクリートへのCO2固定量がCO2排出量を上回るカーボンネガティブを達成したことが確認された。
SUSMICS-Cは、木質バイオマスの炭化物であるバイオ炭を混入した環境配慮型コンクリートで、木質バイオマスが成長過程で大気中から吸収したCO2を難分解性の炭素としてコンクリートに固定できる。CO2の削減効果はバイオ炭の混入量と相関し、審査対象現場では、1kgあたり実質2.3kgのCO2を固定化したバイオ炭を60kg/㎥混和した配合を採用し、カーボンネガティブを実現している。また、SUSMICS-Cは、コンクリート練混ぜ時にバイオ炭を投入するだけで製造できる汎用性の高いコンクリート材であり、既存の生コンプラントをそのまま利用して製造でき、普通コンクリートと同様にポンプ圧送による打ち込みも可能だ。
審査対象現場でのCO2排出量収支は、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン㈱から妥当性を認められた当社独自の方法論に基づき算定したもので、バイオ炭の製造・輸送等に起因する追加的な要素も勘案してCO2排出量を定量化している。算定の結果、CO2の総排出量は77.0t、コンクリートに混入したバイオ炭中のCO2固定量は79.3tとなり、カーボンネガティブの達成を実態に即した実績値に基づき確認することができた。これにより、建設工事の発注者は、サプライチェーンCO2排出量のうち自社以外からの排出量(スコープ3)の削減実績を、信頼性の高い環境価値として社会に訴求できることになる。
同社は、バイオ炭を活用した環境配慮型施工技術を「SUSMICS」と総称し、シリーズ化している。今後、コンクリート施工の脱炭素化に寄与する「SUSMICS-C」に加え、アスファルト合材の混合材料としてバイオ炭を利用し製造過程で生じるCO2排出量を実質ゼロにする「SUSMICS-A」、改良対象土に溶融スラグとバイオ炭を混入することで施工に起因するCO2排出量を実質ゼロにする地盤改良工法「SUSMICS-G」等を現場のニーズに合わせて展開していく。併せて、建設工事の発注者に対し、第三者による確認・検証を経た信頼性の高いCO2削減実績値を新たな環境価値として提供していく考えだ。
詳しくは、→https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2024/2024010.html