研究情報

出光興産、 米・CREW Carbon社に出資。CO2除去(CDR)ビジネスの共同検討開始(2026.5)

 2026 年5 月15日、出光興産㈱は、出光 CVCを通じて、WAE(排水アルカリ度増強)によるカーボンクレジットを世界で初めて創出した米国のCREW Carbon(CREW社)に出資したと発表した。CREW社は、排水処理設備をターゲットとしたCO2除去(CDR)に取り組むスタートアップであり、出光興産は CDRビジネスのノウハウや技術的な知見を獲得するとともに、将来的な日本国内への導入や世界各国への展開も視野に入れ、本ビジネスの実現性および事業性についてCREW社と共に検討する。

■CREW社のCDRビジネスの特長

・排水に含まれる有機物は、微生物によって分解される際にCO2を発生させる。そのCO2を排水処理設備においてアルカリ物質(CaCO3:炭酸カルシウム)と反応させ、回収する技術を採用している。回収されたCO2は、HCO3 −(重炭酸イオン)として河川に放流され、最終的に海へ運ばれ、数千年以上にわたって安定的に固定化される。

・必要な追加設備は炭酸カルシウムの貯蔵・注入設備とモニタリング設備のみとなり、大規模な設備導入は不要。また、一般的に排水処理設備で使用される pH 調整剤を、コスト競争力に優れる石灰石に置き換える。これらにより、低コストでのCDRが実現可能となる。

・排水処理設備で回収した CO2量を、モニタリング設備で測定する。また、河川に放流されたHCO3 −のトラッキングモデルも開発している。正味CO2削減量(放流後のHCO3 −からのCO2放出も加味した量)の正確な算出を実現する独自のMRV を構築し、認証機関からの認証を得たカーボンクレジットを創出している。

 日本は世界で有数の石灰石の生産地であり、CREW社のCDRソリューションで必要な炭酸カルシウムを安定的に調達しやすい環境にある。国産資源を活用したCDRの展開が期待されるなか、出光興産とCREW社は、同ソリューションの将来的な日本国内への導入も視野に入れ、ビジネスモデルの検討を進める。

詳しくは、→https://www.idemitsu.com/jp/news/2026/260515.pdf

2026-05-18 | Posted in 研究情報 |