トピックス,マテリアル他編

味の素、パーム油フリー・アミノ酸系バイオ界面活性剤の新製法開発。発酵技術で持続可能な化粧品素材選択(2026.3)

 味の素㈱は、従来パーム油由来の脂肪酸を原料とするアミノ酸系界面活性剤の製造において、世界各地で安定的に調達可能な糖のみを原料とする、発酵技術を用いた新製法を開発した(特許出願中)と発表した。本技術により、石油由来原料のみならず、パーム油も使用しないアミノ酸系バイオ界面活性剤(微生物が作る界面活性剤)の提供が可能となる。この技術を活用することで、従来のバイオ界面活性剤で課題とされていた色やにおいの問題を解決し、より高い泡立ちを実現した。同社は持続可能な原料の活用による、環境に配慮した製造技術を通じて高機能な素材の開発を推進し、今後も肌にやさしく、心地よい製品を生活者に提供していく考えだ。

 近年、環境への配慮を含む持続可能な社会の実現に向けて、化粧品や洗剤の原料にも変革が求められている。特にパーム油は、世界中で広く利用されている一方、生産拡大に伴う熱帯雨林の減少、それに伴う二酸化炭素放出量の増加、農園で働く労働者の人権問題など、環境的・社会的課題が国際的に指摘されてきた。またパーム油の生産地は緯度10度以内の温暖多雨な地域に限られるという供給上の制約もある。こうした背景から、パーム油の使用削減や代替となる持続可能な原料選択の研究が進められている。

 微生物が産生するバイオ界面活性剤は、天然由来で生分解性が高く、環境負荷が低いことから注目を集めており、技術革新やコスト低減を背景に市場は急速に拡大している。現在、世界におけるバイオ界面活性剤市場は、2021年から2030年にかけて年率13%の成長が見込まれている。しかしながら、従来のバイオ界面活性剤には、泡立ちの弱さ、着色、におい残りといった点で、化粧品への利用が難しいという課題があった。今回開発した発酵法を用いた新製法によって製造される「バイオアシルグルタミン酸」は、アミノ酸系界面活性剤の一種であり、市場ニーズと技術課題を踏まえ、同社がアミノサイエンスの知見・ノウハウを生かした研究開発の成果である。

アシルグルタミン酸の製造方法

詳しくは、→https://news.ajinomoto.co.jp/2026/03/20260330.html

2026-04-01 | Posted in トピックス, マテリアル他編 |