トピックス,エネルギー編
丸紅、中・SINOPEC FUEL OIL社と船舶燃料事業の戦略的パートナーシップ協定締結。バイオ燃料等、新燃料の検討へ(2025.6)
丸紅㈱は、中国最大の国有エネルギー化学企業である中国石油化工集団有限公司傘下の船舶燃料専門会社・中国石化燃料油销售有限公司(SINOPEC FUEL OIL社)と、船舶燃料事業分野における戦略的パートナーシップ協定を締結したと発表した。
世界的な環境規制強化と脱炭素化の潮流を背景に、海運業界においても、昨年、国際海事機関(International Maritime Organization)が「2050年頃までにGHG排出ゼロ」とする新たな目標を発表した。これに伴い、バイオ燃料やLNG、メタノール等の新燃料の需要は、今後急速に拡大していくことが見込まれている。
丸紅は、SINOPEC FUEL OIL社と2010年より船舶燃料事業における業務提携を開始し、2019年には同事業分野における協業に関する覚書を締結した。丸紅はSINOPEC FUEL OIL社の船舶燃料を、中国の主要港に寄港する日本船主の所有船舶向けに独占販売するとともに、共同で新たな供給拠点を開拓するなど、協業規模を拡大しており、現在、中国における日本船主向け船舶燃料販売市場でトップシェアを占めている。
本協定では、これまでの協業をさらに発展させるとともに、従来型の船舶燃料に加え、バイオ燃料・LNG・メタノールを含む新燃料の取り扱いを検討し、両社の強みを生かした新燃料のサプライチェーンを構築していく考えだ。また、今後需要の拡大が見込まれる新燃料分野において、中国市場に留まらず、アジアをはじめとするグローバル市場への将来的な展開を見据えた、丸紅とSINOPEC FUEL OIL社の関係強化、および新たな協業体制を確立するための重要な一歩である。