ニュース情報/政策関連

IEAの新報告書「バイオガスとバイオメタンの展望」発表。エネルギー安全保障、地域経済等にメリット高く新たな関心 (2025.6)

 2025年5月28日、IEAは、新たな報告書「バイオガスとバイオメタンの展望」を発表した。この報告書によると、2020年以降、各国でバイオガスの利点がますます認識されるようになり、バイオガスを支援するための50以上の新たな政策が導入されている。バイオガスは、家庭や産業で熱源として直接利用したり、発電に利用したりできる。一方、バイオガスの改良型であるバイオメタンは、天然ガスの代替として多くの利点がある。政策立案者がエネルギー安全保障と経済競争力を同時に強化する機会を模索する中、有機廃棄物から作られる地元産の低排出燃料であるバイオガスが新たな勢いを見せていると、IEAの特別報告書は述べている。

 バイオガス生産に必要な技術とサプライチェーンは成熟しており、広く知られており、エネルギー安全保障指標においても高い評価を得ていると報告書は指摘している。バイオガスとバイオメタンは消費地の近くで生産され、必要な原材料のほとんどは国内で調達される傾向があり、農村地域への雇用と収入の創出に貢献する。さらに、バイオガスは電力供給の調整が可能な電源であるため、需給バランスの維持に役立つ。また、バイオメタンは既存のガスインフラに大きな変更を加えることなく利用できる。

 IEAは、世界規模でのバイオガスの潜在的可能性を最大限把握するため、世界500万地点以上を対象に、初の試みとなる空間分析を実施した。その結果、持続可能とみなされる原料(例えば、既存技術で処理可能で、食料システムと競合しない廃棄物や残留物など)からバイオガスを生産すれば、年間約1兆立方メートルの天然ガスに相当する量に達する可能性があることがわかったた。この量は、今日の世界の年間天然ガス需要の4分の1に相当する。

詳しくは、→https://www.iea.org/news/biogases-benefits-for-energy-security-local-economies-and-reducing-emissions-are-drawing-renewed-interest

2025-06-06 | Posted in ニュース情報/政策関連 |