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住友化学、天然物由来農業資材・バイオスティミュラント注力の米国・FBサイエンス社買収へ(2023.1)
住友化学㈱は、天然物由来の農業資材であるバイオスティミュラントを手掛ける米国のFBサイエンス社を買収すると発表した。今後、必要な手続きを経て、買収が完了する予定だ。住友化学グループでは、こういった分野をバイオラショナルと呼んでいる。天然物由来などの微生物農薬、植物生長調整剤、根圏微生物資材などや、それらを用いて作物を病害虫から保護したり、作物の品質や収量を向上させたりするソリューションと、グループとして定義している。
FBS社は、天然有機物を独自の方法で調達、加工したバイオスティミュラントや農薬の開発・製造・販売を行っている。豊富な試験データを元に、50以上の異なる作物に適用可能な製品や技術を保有しており、10年以上に渡って商業的実績を積み上げ、近年は米国を中心に事業を急成長させている。住友化学は、今回の買収をバイオスティミュラント分野への本格参入の一歩と位置付け、当社グループが持つグローバルフットプリントをはじめとするリソース、ならびに、FBS社が持つ製品ポートフォリオおよび技術ノウハウを組み合わせることによって、バイオラショナル事業の一層の拡大を図るとともに、化学農薬との新たなシナジーも追求していく考えだ。
バイオラショナルの市場規模は、世界全体で約100億ドルと化学農薬の10分の1程度であるものの、今後もより環境負荷の低い農薬を求める生産者や消費者ニーズの高まりを受けて、需要の拡大が進む見通しだ。バイオスティミュラントは、作物や土壌が本来持つ力を引き出す効果を有する天然物由来の農業資材で、バイオラショナルの中で最大市場規模(約35億ドル)を有し、年率二桁の成長を続けている。また、非生物的ストレスに対する防御機能を誘導することによって、作物の健全な成長を促進するとともに、栄養素の吸収を促進することによって、作物の品質を改善し、その収量を増加させる効果がある。これにより、化学肥料の効率的な利用が促され、その施用量を低減することも可能となる。
住友化学は、バイオラショナル事業の将来性に他社に先駆けて着目し、2000年に米国アボット・ラボラトリーズ社から当該事業を買収した。以後、米国子会社のベーラント・バイオサイエンス社を拠点として、継続して事業の強化・拡大に努め、2014年に米国に微生物農薬原体の製造工場を設立、2015年に米国の根圏微生物事業会社を買収、2018年にバイオラショナルリサーチセンターを建設、2020年にグループの主要海外拠点にバイオラショナル専門の販売組織を設置するなど、戦略的な強化策を加速してきた。
詳しくは、→https://www.sumitomo-chem.co.jp/news/detail/20230131.html 関連情報→https://fbsciences.com/