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王子HD、CNF・天然ゴム複合材を開発。化石燃料由来のカーボンブラック等を代替  (2022.10)

 王子ホールディングス㈱は、木材原料由来であり、独自の製法により製造したリン酸エステル化セルロースナノファイバー(CNF)と、天然ゴムとの複合材の開発に成功したと発表した。

 天然ゴムは、伸縮性や耐摩耗性に優れ、かつ柔らかい特徴を持つ素材であり、世界で年間 1,300 万 t 程生産されている。タイヤ、ホース、コンベアベルト等各種用途に使用されているが、その多くの用途において、ゴム素材でありながら、硬さが重要な性能とされている。天然ゴムの柔らかさを改善するためには、一般的にはカーボンブラック(CB)等を混合し、硬さの付与が必要となるが、一方で特徴の一つである伸びが損なわれる。昨今、地球温暖化対応が求められている中で、化石燃料由来の素材である CB からバイオ素材へ の転換の要求が高まっている。 この度、同社はCB の代替として、独自のバイオ素材であるリン酸エステル化 CNF と天然ゴムを複合化した ゴム素材を、信州大学/野口徹特任教授との共同研究により開発した。

 新しく開発された CNF/ ゴム複合材は、天然ゴムの特徴である伸びを損なわず、CB 配合並みの硬さを有している。(共同で 関連特許出願済) CNF 複合ゴム素材は今後、自動車産業をはじめとして各種産業において環境配慮型素材としての活用が期待されており、サンプルの提供を開始する。

詳しくは、→https://www.ojiholdings.co.jp/Portals/0/resources/content/files/news/2022/JP10cN12.pdf

2022-10-31 | Posted in トピックス |