研究情報
GSアライアンス、カリブ海で大量発生の海藻・サルガッサムから量子ドットの合成に成功(2026.8)
2026年8月5日、GSアライアンス㈱(兵庫県川西市)は、カリブ海沿岸で大量発生し社会課題となっている海藻「サルガッサム」から、炭素量子ドットの合成に成功したと発表した。量子ドットは2023年のノーベル化学賞の対象にもなったナノ材料で、今回の合成品は紫外線照射で青色に発光する。同社は農薬・忌避剤・抗菌剤・肥料など、農業分野への応用を検討している。
サルガッサムとは地球温暖化に伴う海水温の上昇や栄養分の流入などが原因で2011年頃から大西洋や中米カリブ海で大量発生しておりメキシコ、中南米諸国、米国フロリダ州のビーチに大量に漂着して積み重なって悪臭や有害ガスを放出し、除去コストも高く、地元の観光産業、漁業にも悪影響を及ぼしており、深刻な社会課題となっている。これまでこのサルガッサムを動物用飼料、肥料、バイオプラスチック、バイオ燃料、アルギン酸塩、建築用断熱材、結合材などに応用する研究が行われているが、いずれの手法もコストが高く、実現に至っていないのが実情。また、サルガッサムに含まれているヒ素などの有害重金属を除去することも大きな課題である。
GSアライアンス㈱は、脱炭素、カーボンニュートラル社会構築のために、環境、エネルギー分野に特化した最先端技術を研究開発している会社である。種々の製品を開発していますが、2023年にノーベル化学賞の対象にもなった量子ドットという先端材料も開発しており、種々の量子ドット、量子ドットと樹脂、量子ドットと無機材料との複合材料などを開発している。
この度、同社の森 良平博士(工学)は、サルガッサム、サルガッサムの廃棄物から量子ドットを合成することに成功した。紫外線照射下やブラックライトで照射すると、青色を発光する。
合成された量子ドットは、炭素量子ドットの類であり、その独自の光学、物理化学的な特徴を用いてセンサー、バイオイメージング、触媒、LED、エネルギー産業、農業などに応用できる可能性がある。森 良平博士はこのサルガッサムから作る量子ドットを特に農業分野に応用する検討を考えている。同氏はサルガッサムに限らず、既に廃木材、廃植物、農業残差から量子ドットを合成して、それらを農薬、蚊や害虫に対する忌避剤、抗菌剤、肥料に効果があることを確認しており、本件のサルガッサム由来の量子ドットも、同様にそれらの製品に応用することを検討し始める。

サルガッサム
