トピックス,マテリアル他編
三菱ガス化学、米スタートアップ・ReSource社へ出資。リグノセルロース利用しPEF原料・FDCA製造注力(2025.3)
三菱ガス化学㈱は、米国スタートアップ企業であるReSource Chemical Corp.(カリフォルニア州:ReSource社)に対し、シリーズシードプラスラウンドに出資することを決定したと発表した。
同社は、2024年を初年度とする中期経営計画「Grow UP 2026」において、「サステナビリティ経営の推進」を目標の一つに掲げ、「カーボンニュートラル実現に向けた取り組みの加速」を定め、様々な取り組みを進めている。バイオマス由来の原料調達については、2050年カーボンニュートラル達成に向けて重要な技術と位置付けている。
ReSource社は米国スタンフォード大学の研究成果を活かし、木材由来の非可食バイオマスであるリグノセルロースを利用したFDCA製造プロセスに取り組んでいる。このプロセスでは、CO2を用いたカルボキシル化反応を組み合わせ、高収率、低コスト、低環境負荷のFDCAを製造する技術の開発に焦点を当てている。FDCAはバイオマスプラスチックであるPEFの原料モノマーとして注目されている。
ReSource社が調達した資金は、FDCAの製造に向けたパイロットライン設備の設置に充てられる。三菱ガス化学は特に、FDCAの製造に必要な中間体生成物であるフロ酸に着目し、ReSource社からの調達を計画しており、このバイオマス原料を活用し、市場開拓に積極的に取り組んでいく考えだ。