研究情報

東大研究G、海水魚のマイクロプラスチック排出速いが腸に残る。同一魚種の海水・淡水比較 (2025.1)

 東京大学大気海洋研究所の研究グループは、海水、淡水の両方に適応できるジャワメダカの稚魚を用いて、体内に取り込まれたマイクロプラスチックの排出過程を両環境において比較した。その結果、海水中の稚魚のほうが粒子の体外排出が速いこと、また、その原因が消化管内の水の移動速度の違いであることが明らかになった。加えて、消化管内に餌があると、排出がさらに促進されることがわかった。一方、多くの粒子が迅速に排出されるにもかかわらず、海水中の稚魚の消化管には少数の粒子が長く残存した。すなわち、長期的には、海水魚のほうがマイクロプラスチックの影響を受けやすい可能性がある。

 マイクロプラスチックの有害性を検討するうえで、海水と淡水における魚類の生理状態の違いはこれまで考慮されてこなかった。両環境でのマイクロプラスチック粒子の体内動態を、世界で初めて同じ魚種で比較した本研究は、生物に対する影響を解明するための重要な手掛かりを提供する。

海水・淡水両方に適応できるジャワメダカ(産卵直後のメス成魚)

詳しくは、→https://www.aori.u-tokyo.ac.jp/research/news/2025/20250115.html

2025-01-16 | Posted in 研究情報 |