ニュース情報/政策関連

ペレット輸出国の環境団体、英エネルギー大臣にバイオマス燃焼企業への財政支援停止要請(2024.8)

 40以上の環境団体が、英国エネルギー大臣のEd Miliband に対し、ノース・ヨークシャーで英国最大の発電所を運営するドラックス社を含むバイオマス燃焼企業への財政支援を停止するよう求めた。この訴えは、現在のバイオマス補助金制度が2027年に期限切れとなる中で起こされ、米国、カナダ、ポルトガル、エストニア、ラトビアなどの木質ペレット輸出国の団体が署名した公開書簡がこの措置を促している。

(公開書簡より)

 ヨークシャーのドラックスやノーサンバーランドのラインマスなどの木材燃焼発電所に対する英国政府の補助金については深く懸念している。これらの発電所は、米国南部、カナダ、ヨーロッパの世界で最も生物多様性に富んだ森林の木を燃やしており、地域社会、野生生物、気候に壊滅的な影響を与えている。これにより、多くの国の森林と野生生物が危険にさらされている。

 木が伐採されると、森林のCO2吸収能力は今後数十年にわたって大幅に低下する。森林は、木が完全に再生して初めて、失われた炭素吸収力を回復できる可能性があるが、それには数十年以上かかる。バイオマスエネルギーはカーボンニュートラルではなく、木がそのまま残されている場合よりも多くのCO2を大気中に排出するのである。

 ドラックス社もリンマス・パワー社も、大規模に炭素を回収する技術的能力があることを証明しておらず、そのような能力の獲得に役立つ作業も行っていない。ドラックス社がこれまでに回収したCO2は合計27トンに過ぎず、リンマス・パワー社はまったく回収していない。前政権の提案では、バイオマス発電事業者がバイオマス発電補助金を何年も延長するためにBECCSを開発するための具体的な行動を取ることは求められていなかった。技術の証明と必要なインフラがなければ、Power BECCSは新政権の2030年(ネット)ゼロ炭素電力目標に貢献しないだろう。

詳しくは、→https://www.biofuelwatch.org.uk/2024/open-letter-drax-edmiliband/

2024-08-29 | Posted in ニュース情報/政策関連 |