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日本製紙、可搬・可調整式製造機で繊維幅がカスタマイズ可能なセルロース繊維・MFC開発。オンサイトで製造視野に(2023.4)

 日本製紙㈱は、可搬・可調整式製造機による、繊維幅がナノ~マイクロオーダーにカスタマイズ可能なセルロース繊維、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)を開発し、サンプル提供を開始する。本MFCは、当社のセルロースナノファイバーの原料であるTEMPO酸化パルプ、あるいは低置換度カルボキシメチルセルロースを原料とし、解繊方法や解繊程度を自由に変更・設定が可能だ。粘度や透明度、保水度、ゲル感等を各用途に合わせて製造できるため、現在同社が販売中のCNF(セレンピアシリーズ)と同様に、様々な各種工業用配合材、食品・化粧品添加剤へ使用できる可能性があるとともに、大量製造・大量使用にも適しているため、農業分野や土木分野における噴霧用資材等への適応が期待される。

 MFCのサンプルは富士工場(静岡県富士市)で、2種類の可搬・可調整式製造機によって製造していく。MFCの透明度や粘度を様々なバリエーションで微細に調整しやすいノズル型と、MFCの量産性に優れるディスク型の2方式を採用しており、繊維幅が数ナノメーターからマイクロメーターオーダーまで、自由に解繊度合いを調整できる。標準品を用意しているが、透明度や粘度などの物性値は要望に応じてカスタマイズが可能。また、本機は、比較的コンパクトな設計で搬送・組み立てが容易なため、MFC使用場所に設置し、原料パルプの供給をうけることで解繊度の異なるセルロース繊維を必要に応じてオンサイトで製造・使用することもでき、水分散体CNFを現地に運搬して使用する場合と比較して大幅なコストダウンとなる。将来的に本可搬・可調整式製造機の貸し出しや販売も視野に入れていく考えだ。

詳しくは、→https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2023/news230420005446.html

 

2023-04-24 | Posted in トピックス |