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三菱ガス化学と三井化学、バイオマスポリカーボネート(PC)樹脂のマスバランス方式展開へ (2023.2)

 三井化学㈱と三菱ガス化学㈱(MGC)は、2050年カーボンニュートラル実現の一環として、三井化学が展開予定のバイオマスビスフェノールA(バイオマスBPA)をMGCのポリカーボネート樹脂(PC)のモノマー原料として提供し、MGCにてバイオマスPCの生産・販売に向けた取り組みを開始したと発表した。
 三井化学は、2021年12月に日本で初めてバイオマスナフサを原料とする誘導品・製品群を、ISCC PLUS認証制度に基づいたマスバランス方式によって割り当て、バイオマス化学品・樹脂を販売している。従来、植物由来原料から直接にバイオマス芳香族化合物を調製することが困難であったバイオマスフェノール・チェーン製品においても、順次製品の提供をはじめており、2024年3月までにBPAを含む全7製品の認証取得と販売開始を目指している。
 全7製品のうち、認証取得済は、フェノール、アセトン、α-メチルスチレン、BPA、認証取得予定のものは、エポキシ樹脂、IPA、MIBK。

 MGCは、三井化学のISCC PLUS認証のバイオマスBPAを国内で初めて購入し、MGC鹿島工場において界面重合法によりバイオマスPCの生産に向けた取り組みを開始する。また、MGCのグループ会社である鹿島ポリマー㈱ではペレット賦形品や機能性コンパウンド製品、及びMGCフィルシート㈱では高硬度高透明のシート製品や成形用フィルム製品の加工設備を用いることで、バイオマスPCに機能性を付与することが可能だ。さらに、三菱エンジニアリングプラスチックス㈱ならびに三菱ガス化学トレーディング㈱の全世界的な販売網を通じてこれらを市場展開し、製販一貫でバイオマスPC製品のサプライチェーンを構築中だ。
 加えて、MGC鹿島工場ならびに上述のMGCグループ会社においては、本年末までにISCC PLUS認証の取得を目指しており、取得後にはサプライチェーンを通じてマスバランス方式により、自動車、電気電子、光学、OA、半導体といった様々な分野にこれまで困難だったバイオマスPC製品群を広く展開、提供することが可能になる。また、MGCが取り組んでいる「環境循環型メタノール」を用い、PCの全骨格をCO2由来または植物由来とする計画を立てている。一方、海外においても、PC素材の製造拠点であるタイポリカ―ボネート社(タイ)、三菱瓦斯化学工程塑料(上海)社(中国)でISCC PLUS認証取得を計画中だ。

 

詳しくは、→https://www.mgc.co.jp/corporate/news/files/230209PC.pdf

 

2023-02-11 | Posted in トピックス |