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帝人、三島事業所生産の炭素繊維、材料ポリアクリロニトリルのISCC PLUS認証取得。来年前半までにマスバランス方式で販売へ(2023.6)

 帝人㈱は、このたび、静岡県の三島事業所で生産する炭素繊維「テナックス」ならびにその材料であるポリアクリロニトリル(PAN)について、国際持続可能性カーボン認証であるISCC PLUS認証を取得した。炭素繊維とその材料であるPANが合わせて同認証を取得するのは、世界初となる。 

 炭素繊維は、低燃費化への寄与が期待される「軽くて強い」素材として幅広い用途で使用されているが、近年、ライフサイクル全体を通じたGHGの排出量削減へのニーズが高まりを受け、製造工程における環境負荷が課題となっている。こうした中、同社は、製造拠点における自家発電設備の燃料を天然ガスに切り替えた他、「テナックス」のフィラメントや中間材料の製造工程で発生するCO2の排出量を算出し、ライフサイクル全体でのLCAを評価の上で関連情報を開示するなど、環境負荷低減に向けた取り組みを進めてきた。 これに加え、環境配慮型原料の使用によって、製造工程におけるGHG 排出量をさらに低減すべく、環境配慮型原料を用いた「テナックス」の市場展開に向け、国際認証の取得に向けた準備を進めていた。

 ISCC PLUS認証を取得した、三島事業所で生産するPANならびに「テナックス」は、バイオマス由来製品の廃棄物や残留物を用いたアクリロニトリル(AN)または循環型の原料を用いたANを使用し、同認証に基づいたマスバランス方式で生産する。 原料であるANが従来の石油由来のANと同等の物性であることから、これを用いて生産するPANや「テナックス」は石油由来品と同等の物性を有する。

 同社は、2024年前半までに、石油由来の原料を用いた従来品に加え、同認証に基づいたマスバランス方式でのPANならびに「テナックス」の生産・販売開始を目指し、準備を進めて行く。また、環境配慮型の製品の展開を強化すべく、欧米、アジアで生産している炭素繊維およびその関連製品においてもISCC PLUS認証に向けた検討を進める考えだ。

炭素繊維「テナックス」

詳しくは、→https://www.teijin.co.jp/news/2023/06/29/20230629_01.pdf

2023-07-02 | Posted in トピックス |